事態は非常に深刻である。これを、企業体質を変える最後の機会ととらえなくてはならない。
暴力団組員らへの融資を放置していたみずほ銀行に対して、金融庁が一部業務停止など追加の行政処分を下した。同行はこの9月に処分を受けたばかりだ。メガバンクが短期間に再び処分を受けるのは極めて異例である。
持ち株会社のみずほフィナンシャルグループ(FG)は、塚本隆史会長が引責辞任し、経営の透明度を高める経営改革に取り組む。だが、これで「みそぎ」は終わったと勘違いしてはならない。
反社会的勢力との関係をめぐり不祥事が繰り返される同行の「土壌」が、抜本的改良を迫られている。そう厳しく認識すべきだ。
旧3行の縦割り意識といった社風を払拭して、銀行に課せられた社会的な責任を全うする以外に、信頼を回復する道はない。
みずほは、系列信販会社の提携ローンを通じて暴力団員らに融資し、内部で発覚後も2年以上、取引を放置した。金融庁は業務改善を命じたが、みずほ側が「トップは把握していない」と事実と異なる内容を報告したため、提携ローンの新規受け付けを1カ月停止するなどの再処分に踏み切った。