最長9連休が取れる年末年始が28日スタートし、ふるさとや海外で過ごす人たちの帰省や出国のラッシュがピークを迎えた。新幹線のホームは家族連れで混雑、各地の高速道路でも長い渋滞が発生した。
円安にもかかわらず、アベノミクス効果や連休が長期となったことから海外旅行も好調で、成田空港からの出国者数は28日だけで5万人に上り、年内では計17万7千人の見込み。各地の空港でも国際線はほとんどの席が埋まっている。一方、雪のため国内線は日航が6便、全日空が23便欠航し帰省に影響した。
JR各社によると、東海道新幹線は一部で自由席の乗車率が150%に達し、席に座れない乗客が通路にあふれた。東北、山形、秋田、上越、長野の各新幹線は一部で空席がみられた。
高速道路の下り線では早朝から混雑が始まり、東名高速の豊川インターチェンジ(愛知県)付近で午前8時半ごろに23キロ、本宿バス停(同)付近では正午ごろに25キロの渋滞が発生した。東名阪道では午前8時半ごろ、西山バス停(三重県)付近で14キロ、午後4時ごろに鈴鹿インター(同)付近で17キロの渋滞となった。
羽田空港では、山口県に帰省する東京都板橋区の自営業、増岡百合子さん(34)が「学生時代の友達との忘年会が楽しみ」。一方、鳥取市の自宅へ戻るための便が雪のため欠航したという50代の女性公務員は「大掃除をする予定が狂ってしまった」と疲れた様子だった。
成田空港では、スーツケースを引く乗客の姿が目立った。台北へ向かうという埼玉県本庄市の会社員、浅沼明子さん(25)は「安倍晋三首相の靖国神社参拝で治安に影響がないか心配したが、大丈夫そう。名物は全て食べ尽くします」と意気込んだ。