女川原発2号機の安全審査申請 東北電、被災原発で初 「健全性は確認」 | 毎日のニュース

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 東北電力は27日、女川原発2号機(宮城県)の再稼働に向けた安全審査を原子力規制委員会に申請した。東日本大震災で被災した原発の申請は初めて。安全対策の工事の完了は平成28年度末を目指しており、再稼働は29年度以降になる。

 規制委への申請原発はこれで計9原発16基になった。女川原発は事故を起こした東京電力福島第1原発と同様に沸騰水型軽水炉(BWR)で、事故時に格納容器の破損を防止する「フィルター付きベント(排気)設備」が義務付けられる。

 事故時の前線基地となる「緊急時対策所」はできておらず、代替施設を3号機中央制御室横の会議室に設ける。海抜29メートルの防潮堤は28年3月までに設置予定。

 女川原発は震災時、震度6弱の揺れと敷地の高さぎりぎりの13メートルの津波に襲われた。想定していた最大の揺れの強さ(基準地震動)を超えたため、原子炉建屋のクレーンが破損するなどの被害を受けた。

 全3基のうち、2号機は震災時に定期検査中で、被害が比較的小さかったことから安全審査の申請を先行させた。残る1、3号機も準備が整い次第、申請するという。

 東北電の井上茂副社長は申請後、「地震による被害は受けたが健全性は確認されている。審査に何ら差し障りのないことを確信している」と話していた。