オリンパスは新興国で消化器内視鏡の販売を強化する。ブラジルで現地法人の人員を増員するほか、インドで修理拠点の整備や医師のトレーニング支援を拡充する。笹宏行社長が25日、産経新聞のインタビューで明らかにした。
オリンパスは消化器内視鏡の世界シェアが約7割で、笹社長は「市場を成長させたい。新興国の事業拡大が重要だ」と述べ、中南米とアジアを注力地域と位置付けた。
中南米のうちブラジルは経済成長に伴い、医療市場の拡大が見込まれることから、現地社員の増員などで販売体制を強化する。
また、新興国では内視鏡を使える医師の育成支援や修理設備が重要なため、中国に続き、インドでも態勢整備を加速させる。
これらの取り組みなどを通じ、新興国での内視鏡売上高を平成27年度に23年度のほぼ倍の1000億円規模に引き上げる計画だ。
一方、笹社長は、今年度に4年連続の営業赤字となる見通しのデジカメ事業について「来年度には何とか黒字にしたい」と強調。コスト削減に向け、資本提携先のソニーとカメラ部品の共同調達などを協議していることを明らかにした。