【ワシントン=柿内公輔】世界銀行は11日に発表した報告書で、世界の成人の半分に相当する25億人が銀行口座を持っていないとの試算を明らかにした。発展途上国などでの金融サービスの普及のため、インターネットバンキングの活用などを各国に促している。
世銀によると、2011年時点で貯蓄をしている成人の割合は高所得国で58%に上るが、低所得国では30%だった。また銀行口座で貯蓄している成人は高所得国の45%に対し、低所得国では11%にとどまった。「規制や法制度の不備が障害となって金融サービスを受けられないケースも多い」(世銀)という。
一方で、ケニアやフィリピンなどではネットバンキングが金融サービスの普及に重要な役割を果たしていると指摘。金融教育も含めて各国の政策担当者にIT(情報技術)の活用と工夫を呼びかけた。
世銀も20年までに世界のすべての成人が金融サービスを利用できるようにするという目標を掲げ、電子マネー口座などの技術革新を支援する。