侍ジャパンが「ブランド戦略」を展開している。日本野球機構(NPB)は、ことし3月のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表が3連覇を逃したことから、初めて中長期的な計画を立案。「侍ジャパン事業部」を設置し、若年層ファンの新規開拓や収益確保に向けた取り組みを始めている。
特にネットには力を注いでおり、台湾戦のメンバーを公式ホームページで発表したところ延べ約40万件のアクセスがあった。また第1、3戦を地上波の放送終了後に「ニコニコ動画」で中継。今後もデジタルを意識した施策を予定している。野球ファンの高齢化が指摘されるなか、若年層を取り込むことを重要課題としている。
今回のチームは指導経験のない小久保裕紀監督を抜擢(ばってき)しただけでなく、選手も26歳以下の若手が中心で「一緒に成長していきたい」(小久保監督)とあえて代表経験の少ない選手を選んだ。
現在のプロ野球は楽天・田中将大のような投手はいても、圧倒的な存在感を持つ野手は少ない。台湾戦は広島の菊池涼介内野手や西武の浅村栄斗内野手ら、将来主力を担う可能性が高い顔ぶれが並んだ。サッカー日本代表のように注目度を高め、国際経験を積ませることでスターとして育成したい考えもあるからだ。