【書評】児童書 『「小学生までに読んでおきたい文学」全6巻』松田哲夫編 | 毎日のニュース

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 ■楽しんでいく最初の一歩

 編集者の松田哲夫さんが手がける、あすなろ書房のアンソロジー企画の第3弾が発刊された。『中学生までに読んでおきたい日本文学』全10巻(平成22~23年)、『中学生までに読んでおきたい哲学』全8巻(24年)に続く新シリーズだ。

 松田さんによると、前の2シリーズは子供たちはもとより、その父母の世代、祖父母の世代にも読者が拡大。「さらに入門編になるようなもの」「子供たちが文学や物語に親しみ、楽しんでいく最初の一歩になるようなもの」が求められていたという。

 10月末にまず出たのが第5巻『ともだちの話』と第6巻『すごい話』。星新一のショートショート「友だち」、グリム童話「ねずみと小鳥とソーセージ」(池内紀(おさむ)訳)をはじめ、中島らも、ヘッセ、タゴール、芥川龍之介(「杜子春」)、ポーなどの短編を収録している。いずれも“児童書”という枠に閉じ込めてはもったいない、選(え)りすぐりのお話ばかり。巻末の編者解説も読書心をそそる。

 今月には第4巻『たたかう話』、さらに『おかしな話』『かなしい話』『こわい話』の全6巻を刊行。(あすなろ書房・各1890円)