【書評】『妹は3歳、村にお医者さんがいてくれたなら。』 | 毎日のニュース

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 □『妹は3歳、村にお医者さんがいてくれたなら。 わたしたちが900万の人びとに医療を届けるわけ』

 世界の紛争地や貧困地域で無償で医療を提供する国際非政府組織(NGO)「国境なき医師団」に参加した日本人医師や看護師らが、自らの体験を基に、活動の実態や人道危機の現実を記した。

 栄養失調、エイズ、性暴力被害など医療援助が対象とする事象はさまざまだ。十分な医療機器がある先進国と異なり、砂漠でテントの設営から始めなければならないこともある。高価な医薬品が使えず、宗教や文化、病気に関する知識不足が治療を阻むこともある。

 成功例だけでなく援助の限界も客観的につづられており、人道的な医療支援の必要性を考えさせられる。(国境なき医師団日本編著/合同出版・1470円)