政府は、中国共産党の第18期中央委員会第3回総会(3中総会)について、冷え切った日中関係が変化する転機になるかどうか、注視している。このような中、中国外務省で対日政策を担当する熊波副局長が9月下旬から極秘に来日し、政府関係者と尖閣諸島の領有権問題などについて協議していたことが明らかとなった。
熊氏は中国外務省アジア局で対日政策を扱う事務方のトップ。日中外交筋によると、熊氏は中国の大手企業首脳陣による経済交流団の一員として入国した。身分を隠して来日した方が本音で話せると判断したようだ。
熊氏は日本滞在中、首相官邸や外務省を訪れ、政府関係者と複数回面会した。熊氏は尖閣の領有権を主張する基本的立場は崩さなかったが「中日双方の国民が納得できる解決策を考えたい」と述べたという。
10月28日には中国民政省の顧朝曦(こちょうぎ)次官が来日し、三ツ矢憲生外務副大臣と会談した。副大臣級の単独訪日は、第2次安倍晋三内閣発足後初めてだった。