ドラマ「半沢直樹」(TBS系)でオネエ言葉の国税検査官、黒崎駿一役を演じ、人気急上昇の片岡愛之助(41)。「『“黒崎さん”は歌舞伎もやるんですね』といわれます」と鷹揚(おうよう)に笑うが、本業はもちろん歌舞伎俳優。19日には東日本大震災復興支援のため、昨年盛岡で出演した舞踊公演「黄金の夢」に、今年も出演する。
愛之助が出るのは創作舞踊劇「清衡(きよひら)」(水口一夫作・演出、藤間勘十郎振付)。盛岡市在住の作家、高橋克彦が奥州藤原氏を描いた「炎(ほむら)立つ」を原作に昨年創作され、盛岡公演も好評だった。奥州に落ち延びた源義経(中村壱太郎(かずたろう))と弁慶(若柳吉蔵)の前に、藤原清衡が霊(愛之助)として現れ、戦の愚かさや栄華の無常を訴える。
「舞踊はよく分からないといわれますが、要はパントマイム。歌詞の通り踊っていますし、せりふもかなりある。初めての方にも楽しんでいただけます」
上方舞の四大流派の一つ「楳茂都(うめもと)流」の四世家元でもある。昨年、日本舞踊家、若柳流宗家の吉蔵の呼びかけに応じ、同公演への出演を決めた。
「お家元のお母様が岩手ご出身で、チャリティー企画が持ち上がった。多様なジャンルの人が東北への思いを一つにして、いい結果が見えたので、今後も各地で上演したいです」
今年の公演は19日午後2時から、東京国際フォーラム(東京・丸の内)で。同時上演は長唄舞踊「橋弁慶」「勧進帳」、筑前琵琶「散る花草紙」。問い合わせは若柳流宗家(電)075・611・1234。(飯塚友子)