10月下旬に阪急阪神ホテルズ(大阪市)が記者会見を行ってから2週間余り。一流ホテルや大手百貨店などを中心に広がった食材の偽装表示は、8日までの産経新聞の集計で約400施設に上った。専門家は問題の背景に、メニュー表示を通じた「食」のブランド戦略があると指摘する。
発端は今年6月だった。東京ディズニーリゾートの3ホテルで、ブラックタイガーを「車エビ」と表示していたと発表。プリンスホテルも4ホテルでチリ産牛肉を「国産」と表示していたことを明らかにした。
この報道を受け、阪急阪神ホテルズが社内調査。同様の偽装表示があったことを10月22日に発表して以降、全国で偽装表示の発表が相次いだ。
目立ったのがエビで、バナメイエビを「芝エビ」と表示するなどしていたケース。ホテルオークラが「中華料理業界ではサイズに応じて『芝エビ』『大正エビ』などと呼ぶ慣習があった」と釈明したように、同様の理由で多くの店に広がっていた。
有名ブランドおせち料理や牛肉料理の偽装表示では、販売元やレストランが複数の百貨店で共通していたことで問題が拡大した。