福岡市博多区の医院「安部整形外科」(安部龍暢院長)から出火し、入院患者8人と前院長夫婦の計10人が死亡した火災で、多くの被害者の死因が煙を吸い込んだことによる一酸化炭素(CO)中毒である可能性が高いことが11日、福岡県警への取材で分かった。
1階の処置室内に置かれた医療機器の周辺が激しく燃えていることも判明。県警は1階から出火し、1~4階にある防火扉計7枚が全て開いたままだったため、入院患者の病室があった2階と、安部院長の両親である前院長夫婦が住んでいた3階に多量の煙が流入し、惨事につながったとみている。業務上過失致死傷容疑での立件も視野に捜査する方針を固めた。
県警は、多くの遺体は損傷が激しくないことなどから、死因はCO中毒であるとみている。12日から遺体を順次、司法解剖し死因を特定する。