米で広がる企業の非上場化 物言う株主との攻防激化 | 毎日のニュース

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 【ワシントン=柿内公輔】米国で上場企業が株式の公開を取りやめる動きが広がっている。利益還元や経営改革をせかす株主の圧力をかわし、上場廃止で一時的にブランドが低下しても長期的な視点で事業の再構築を進めるのが狙いだ。ただ、ファンドなど「物言う株主」の存在感も高まっており、企業と株主の攻防は激しさを増している。

 経営難から9月に身売りを発表したカナダの携帯電話機大手ブラックベリー。大株主のカナダ金融大手フェアファクス・フィナンシャル・ホールディングスを中心とする企業連合の買収が完了すれば、ナスダックへの上場を取りやめる。フェアファクスのワトサ最高経営責任者(CEO)は「非上場会社となったブラックベリーに長期的な戦略を提案していく」と話す。

 経営陣がファンドなどと組んで企業の株式を買い取る自社買収(MBO)も盛んだ。パソコン大手デルは9月、創業者のマイケル・デルCEOらによるMBOを株主総会で了承した。デル氏の狙いも、時間は多少かかっても利益率の高い法人向け事業の強化を進めることにあり、「顧客に長期的戦略で最善のサービスを届けるために、少し我慢してほしい」と強調する。