給食のパンにコバエの付着が見つかり、学校側がハエを除いて子供に食べるよう指導したことが問題となっている。「ハエが付着したパン」と聞いて、「そんな不衛生な物を食べさせるなんて」と思った人も多いだろう。一方で、世界に目を向ければハエを含む昆虫は食料ともされ、「安全性に問題のないパンを捨てるのはもったいない」との声もある。(平沢裕子)
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◆安全上、問題ない
ハエが付着したパンは先月2日、岐阜県可児市の中学校で4個、9日に小学校で約100個それぞれ見つかった。市教育委員会によると、付着していたのはクロバネキノコバエ。体長1~4ミリと小さく、パン工場の網戸をくぐり抜けて入り込んだようだ。パンを焼く鉄板の上にハエがいたとみられ、それに気づかずにパン生地を載せたため、パンと一緒にオーブンで焼かれていた。
パンに付着したハエは異物。市教委のマニュアルには、異物混入の食品でも「健康に影響がないと判断した場合は食べる」との方針が示されていた。両校はこれに従い、ハエが付着した部分を取り除いて食べるよう指導。児童生徒や保護者から苦情はなかったが、対応を知った市議が市議会委員会で問題視した。市教委は「指導は間違いだった」と認め、早急にマニュアルを見直すとしている。