【新帝国時代 第6部(5)2】ヤマダ電機撤退 「社名が日本兵を連想」消費者が拒否反応 | 毎日のニュース

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 2010年に中国進出した大手家電量販店のヤマダ電機は、今年5月に南京店を閉じたあと、6月に天津店も閉じ、中国国内では瀋陽店の1店舗を残すだけとなった。業績が思うように伸びず、13年までに中国で5店舗を開く計画を諦めざるを得なかった。

 南京店などを閉じた理由について、同社は記者会見で、12年秋に尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化を受け中国全土で広がった反日デモに伴う日本製品の不買運動に加え、物流システムをうまく構築できなかったと説明した。

 ただ、中国の経済誌記者は別の理由を指摘する。

 「ヤマダ電機という社名が、抗日ドラマに出てくる山田という日本兵の名前を連想させるため、消費者が拒否反応を示したことも原因の一つだ」

 1989年に中国共産党総書記となった江沢民が小中学校で愛国主義の宣伝との名目で反日教育を推進した。

 旧日本軍の数々の“蛮行”が頭の中に徹底的にたたき込まれた世代が主な消費者となったいま、中国マーケットにおける日本製品離れが加速し、日本企業の業績に影響を与えるようになった。

 中国に進出している日本企業にとって、店の名前やブランド名から日本のイメージをいかに隠すかは、大きな課題になりつつある。ヤマダ電機は中国での店名を「山田」ではなく中国語の当て字で「亜瑪達」としたが、中国メディアに取り上げられる際に本社名がたびたび登場したことで、「日本色」を払拭できなかった。