池永チャールストーマス容疑者は事件直前、鈴木沙彩さんが警視庁にストーカー被害を相談しているのを察知し、逆上して犯行に及んだとみられる。警視庁のまずい対応が結果的に刺激を与えてしまった可能性がある。
「京都市に住んでいるはずなのに近くに来ている。脅迫メールも送られてくる。(池永容疑者に)連絡してやめさせてほしい」
8日午前9時ごろ、鈴木さんは両親と一緒に三鷹署を訪れ、切実に訴えた。池永容疑者が1日と4日の朝、鈴木さんが通学するのを自宅前で待ち伏せていたことも打ち明けた。
担当の署員は、その場で池永容疑者の携帯電話に連絡。応答しなかったため、署員を名乗り、留守番電話に「至急折り返し連絡をください」とのメッセージを残した。昼過ぎと夕方にも同様のメッセージを吹き込んだ。池永容疑者は午後には鈴木さん宅に侵入し、数時間潜伏していたほか、鈴木さんへの安否確認の電話もクローゼットの中で聞いていた。
警察関係者は「待ち伏せていただけだったのが、留守電を聞いてこちらの動きを察知し、初めて自宅に侵入しようと考えた可能性は捨てきれない」と指摘。三鷹署は「留守電を残したのは真剣に取り組んだ結果。電話を3回したのも、相手につながらず、緊急性があると判断したからだ」と“弁明”した。