JR北海道の函館線を走る特急北斗(札幌-函館間)で昨年9月から3件相次いだ出火や発煙で、原因とされるエンジン関連部品の破損は、運転士がエンジンの回転数を変更するレバーを操作するたびに想定を超える負荷が発生し、それが継続したために起きたとみられることが9日、関係者への取材で分かった。
この部品は、燃料噴射ポンプ内にある「スライジングブロック」。エンジンの回転数を変えて列車のスピードを調節する際、運転士のレバー操作に伴って燃料供給量を調整する機能がある。この部品の破損は北斗の3件を含め平成6年以降、少なくとも8件あったことも新たに判明した。
昨年9月、今年4月と7月に北斗で発生した出火や発煙は、スライジングブロックが破損した結果、燃料を過剰供給されたエンジンの回転数が異常上昇し、エンジン内部が損傷したことが原因とされている。