【侍ジャパン】小久保監督就任 成熟度試される4年間 | 毎日のニュース

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 「先のことを考えれば勇気もいることだったが、ここはチャレンジすべきだと思った」

 就任会見では、はつらつとした表情で決意を語った小久保氏。一方で今後の侍ジャパンの方向性を報道陣から問われると、「監督の一存では決められない部分もある」と複雑な表情を浮かべた。

 侍ジャパンが常設化をうたったのは平成24年から。しかし、実力を発揮する国際舞台は実際のところ限られているのが現状だ。

 野球が2012年のロンドン五輪の実施競技から除外されて以降、国際大会規模といえるイベントはWBCしかない。昨秋はキューバ代表を招いて日本国内で国際親善試合2試合を開催したが、3月末から10月までのプロ野球シーズン中に国際親善試合を行うことは日程的に困難。また、侍ジャパンのような「ナショナルチーム」を常設的に設置している国・地域は皆無に等しい。

 日本だけ常設化が独り歩きしている現状を、スポーツビジネスに詳しい帝京大の大坪正則教授(スポーツ経営)は「国際試合が少ないのはビジネスの上でも問題。放映権なども含めて侍ジャパンのビジネス基盤を固めてからでないと、国際的に展開するのは難しい」と指摘する。

 3連覇を逃した第3回WBCではイチロー外野手(ヤンキース)、ダルビッシュ有投手(レンジャーズ)ら日本人大リーガーが相次いで不参加を表明し、初めて国内組だけで臨んだ。

 3月の開催時期はレギュラーシーズン直前ということもあり、不参加もやむを得ない事情がある。

 最終的にベスト4と健闘はしたが、大坪教授は「サッカー日本代表の人気があるのも、本田や長友といった国際的に活躍するプレーヤーがいるからこそ。侍ジャパンに大リーガーが参加できるようNPBには早く解決してほしい」と訴える。

 若き小久保新監督の任期は、4年後の平成29年に予定される第4回WBCまで。「世界一奪還」に向け侍ジャパンの“成熟度”が試される4年間になる。(浅野英介)