旅行でトルコを訪れていた日本の女子大生2人が9日、死傷した事件。明治時代から日本と親交を温めてきたトルコでは、10日夕から追悼行事が行われたほか、13日現在も各地で日本の半旗が掲げられ、悲しみが広がっている。
「皆さまの悲しみは、私たちの悲しみです」
事件発生を受けた現地で10日夕、地元住民ら約千人が集まった追悼集会。住民らはトルコ語と日本語でこう書かれた横断幕やプラカードを掲げて行進した。事件現場は献花であふれた。
日本とトルコの友好のきっかけは、明治23年、和歌山県沖でオスマン帝国の軍艦「エルトゥールル号」が台風で沈没した事故。地元住民が乗組員69人を救助し献身的に介抱した。
イラン・イラク戦争の最中だった昭和60年3月には、トルコ政府の命を受けたトルコ航空がイランに残された200人以上の在留邦人を救出。日本政府は平成18年、機長ら13人に勲章を授与した。
事件発生後もトルコの親日ぶりは変わらない。現地の旅行代理店「MTIツーリズム」に勤務するサイマズ陽子さんによると、現地の市役所のほか、住民の自家用車や自宅には13日現在も、日本の半旗が掲げられている。町を歩いている陽子さんに近寄り、胸に手を当てながら「ごめんなさい」と言って亡くなった栗原舞さんや日本に哀悼の意を示す住民もいるという。