【リーマン・ショック5年】戦略転換迫られた日本企業 生き残りへコスト削減、資源集中… | 毎日のニュース

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 リーマン・ショックは日本企業にも大きな影響を与え、戦略転換を迫った。

 トヨタ自動車は2009(平成21)年3月期の連結営業損益が4610億円の赤字と戦後初めて赤字に転落した。規模を追い、米国を中心に相次ぎ工場を新設していたが、金融危機で世界的に自動車需要が縮小したためだった。

 社内には「利益至上主義が蔓(まん)延(えん)していた」との反省も生まれ、同年6月に就任した豊田章男社長は「いい車を造ろう」と持続的成長の必要性を説いた。この5年間で、固定費を抑え、粗利益を増やす取り組みが浸透。年3千億円を超える収益改善が可能になったという。13年3月期の連結営業利益は1兆円の大台を回復。単体の営業利益も5年ぶりに黒字転換を果たした。

 電機メーカーでは、日立製作所がリーマン・ショックの影響を最も受けた。世界的な需要の低迷で、自動車部品やデジタル家電、建設機械などが総崩れとなり、09年3月期に日本の製造業として過去最大となる7873億円の最終赤字を計上。「手元資金がなくなって財務体質が悪化し、注文もとれない状況になった」という。

 生き残りに向け、経営体制を一新。得意分野の社会インフラ事業に経営資源を集中させる一方、テレビの自社生産からの撤退やハードディスク事業の売却など次々とリストラを進めた。大規模なコスト改革は現在も継続中だ。