中国広東省の地方官僚への贈賄事件で、愛知県警に不正競争防止法違反容疑で逮捕されたトヨタ自動車系マフラー最大手「フタバ産業」の元専務、寺田武久容疑者(68)が「この地方官僚に2002年から07年にかけて現金を年に1、2回渡していた。総額600万~700万円相当になる」と供述していることが13日、捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、この地方官僚は「鎮」と呼ばれる、日本では村や町に相当する行政単位のナンバー3。税関職員とともに貿易を監督したり、証明書を発行したりする権限を持っていた。
県警捜査2課は、寺田容疑者が有利に商取引できるよう便宜を図ってもらうため、この地方官僚に定期的に現金を渡していたとみている。
寺田容疑者はフタバ産業の中国事業に早くから関わり、一時期は営業や経理、行政府との折衝を取り仕切っていた。