中国貸与のパンダが政治問題に ベルギー、南北対立に拍車 | 毎日のニュース

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 オランダ語系北部とフランス語系南部の地域間対立が深刻化しているベルギーで、中国から貸与されるパンダが政治問題となっている。ベルギーのメディアによると、中国の李克強首相は11日、同国を訪問中のベルギーのディルポ首相に、パンダのつがいを南部地域のブルジュレットの自然公園に貸与すると伝えた。

 これに不満を募らせているのは北部のアントワープ動物園。1980年代後半に短期間パンダを飼育した経験があるが、2000年代前半には「外交的理由」で中国から貸与の合意が得られなかったとされる。

 またブルジュレットがディルポ首相の地元に近いため、北部の分離独立を主張する政党の議員からは「首相が外交を使い、ひいきしたとの印象をぬぐえない」との声も上がった。

 首相報道官は「ブルジュレットの自然公園は12年に中国側に貸与を申請したが、アントワープからは出ていない」と述べ公平性に問題はないと強調した。パンダは2頭。到着は来春で貸与期間は15年。(共同)