【ワシントン=小雲規生】オバマ米大統領は10日夜(日本時間11日午前)、ホワイトハウスから、限定的な軍事行動を検討しているシリア情勢について国民に向けた演説を行う。アサド政権の化学兵器使用が米国を含めた国際社会への脅威であるとして軍事行動の必要性を訴える一方、ロシアなどと化学兵器の国際管理について慎重に協議していることなどを説明するとみられる。
オバマ氏は演説に先立ち、民主、共和両党の議員団と相次いで会談した。米メディアによると、オバマ氏はアサド政権に化学兵器を放棄させるよう圧力をかけるため、軍事行動を選択肢として残しておくことが重要であることを強調。さらに化学兵器の国際管理に関する協議の時間をとるため、軍事行動を承認する決議案の投票を来週に遅らせるよう求めた。
一方、CNNテレビなどによると、上院では超党派の議員団が新しい決議案の作成を進めている。国連に対してアサド政権の化学兵器使用を非難し、化学兵器の引き渡しの期限を設ける決議を出すよう求め、実現しない場合に政府が軍事行動を起こすことを承認する内容という。
米上院外交委員会は4日、最大90日間の地上軍投入を伴わない軍事行動を認める決議案を可決している。