インターネットへの依存性が高く「病的」とされる中高生が50万人以上もいるという。たしかに電車内や駅のホームでも、歩いていてもスマホ(高機能携帯電話)の画面から目を離せない人たちが目立つ。ただ、そこで得られるのは「誰かが優先順位をつけた情報」でしかない。それゆえスマホを愛用するほどに、いつの間にか生き方までもが画一化・平均化されてしまうことになる。著者が危惧する「人間のロボット化、退化」は絵空事ではないと思えてくるはずだ。私たちはスマホ中毒症の恐ろしさを早く自覚し、人間的な生活を取り戻す必要があるだろう。(講談社+α新書・880円)