秋田、岩手両県は9日、局地的な豪雨に襲われた。太平洋高気圧の周囲に流れ込んだ湿った気流が次々と積乱雲に発達する「バックビルディング」現象が原因とみられる。一方でこの日、関東から西日本にかけて厳しい暑さになったのは、7月以降相次いだ豪雨や猛暑と同様、太平洋高気圧がもたらしたものだ。
高気圧に覆われた範囲は日ざしで気温が上昇し、その周囲で時計回りに風が吹き出す。太平洋高気圧では、吹き出した風に乗って南の海上から暖かく湿った風が高気圧の北側を西から回り込む形で流れてくる。
9日は日本列島の広い範囲が太平洋高気圧に覆われ、各地で最高気温35度を超える厳しい暑さとなった。その一方で暖かく湿った風が東北北部を直撃する形になり、秋田県付近で継続的に積乱雲が発達した。
湿った風が上昇気流に乗ると積乱雲が発生する。通常、積乱雲は雨を降らせると消えるが、風上側の同じ場所で次々と積乱雲が発生して風に流されると、ビルの背後に別のビルが並ぶように積乱雲が1列に並び、風下では雨が降り続ける。