【きょうの人】森康二郎さん(62)中国でトキ保護事業に取り組む | 毎日のニュース

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「佐渡もこれから弾みがつくのでは」

 「トキの保護は普通の希少動物とは違う。人がいなくなるとトキもいなくなる。そういう鳥なんです」

 中国陝西省で2010年9月から、「人とトキの共生」を目指す日中の共同事業に取り組んでいる。国際協力機構(JICA)から派遣され、日中のスタッフ7人を統括する。1999年、中国から日本に初めてトキ2羽が贈られ、佐渡で人工繁殖に成功した際は、環境庁の野生生物課長として関わった。2004年に退官し、今回は専門家としての派遣だ。

 7羽から始まった陝西省での保護事業は「世界的な成功例」とされ、野生だけでも1千羽以上に増えた。ただ、市街地近くまで姿を見せるようになったことで、「トキと人との折り合いをどうつけるか」が新たな課題として浮上した。