今夏の全国高校野球選手権では、回戦ごとの抽選が復活した。8日の開幕試合で逆転勝ちした有田工(佐賀)の主将が試合後、ホーム付近で小さな箱からクジを引く見慣れぬ光景がテレビに映った。勝者がその都度、次の試合を抽選で決める方式で一見わかりにくいが、連戦や極端に長い間隔の空きがないように配慮されている。
昨年までは準々決勝からは抽選で、3回戦までヤマ型に従って勝ち上がった。「勝ったら2回戦は○×高がきそうだ。3回戦は多分…」とイメージが描けたが、今回はそうはいかない。「第1日の勝者の2回戦は第7日」「第2日の勝者は第8日」と大体のグループ分けはあっても先行きは不透明だ。
夏の大会は1994年までは回戦ごとに主将が集まって抽選していた。阪神大震災が起きた95年、甲子園球場周辺の道路事情で遠隔地の高校は応援団などの移動に影響が出ることから、3回戦までの一括抽選になり昨年まで続いた。今回の復活は試合ごとの抽選がみそで、よく考えている。見る側はスリリングで面白いのではないか。