習近平氏が中国共産党トップの総書記に就任して半年以上が経ち、日ごとに習氏の目指す政治の方向が明らかになりつつある。国内では反腐敗を打ち出し、バブル経済への対応も厳しい。外交面も領土問題での妥協は一切許さず、強気の姿勢が目立つ。(フジサンケイビジネスアイ)
一言でいえば「新保守主義」の色合いが強いが、こうした習氏の各分野での政策を提起し、実行に移しているブレーン集団はいったい誰なのか。陣容が次第に明らかになってきた。
先の訪米に際して米国のメディアが注目したのは、党中央政策研究室主任の王滬寧氏だった。終始、習氏のそばにぴったりと寄り添っていたからだ。だが、王氏は江沢民、胡錦濤の両総書記にも仕えており、今後は徐々に習氏から離れていくのではないかとの観測が有力だ。
王氏に代わってブレーンの中核を務めそうなのが、党中央弁公庁副主任の丁薛祥氏。ロシアや南アフリカ訪問では、主任の栗戦書氏ではなく、丁氏が同行している。習氏が上海の党委書記をしていた時に、まじめな仕事ぶりが買われて抜擢(ばってき)された。
主任の栗氏も仕事の執行能力が高いことから、習氏の有力ブレーンの一人であるのは間違いない。1983年に習氏と栗氏は隣接する県のトップの役職にあり、お互いに知り合った。2011年に習氏が党の政治局常務委員の時に、貴州省を訪問。その際に現地で習氏にずっと付き添って案内したのが栗氏だった。翌年に中央弁公庁に移った。それが習氏の意向だったことは確実だ。もっとも年齢が60歳を超えているので、実務は次第に丁副主任に移っていこう。