検察側が新たな実験計画、弁護側は「審理尽くされた」と反対 東住吉放火殺人の即時抗告審 | 毎日のニュース

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 大阪市東住吉区で平成7年に起きた放火殺人事件の再審開始決定をめぐり、検察側が、異議を申し立てた即時抗告審で新たな燃焼実験を計画していることが9日、分かった。弁護側が明らかにした。原因をガソリン漏れによる自然発火とする弁護側の主張に沿った設定で実験し、火災が起きないことを立証したい考え。

 検察側は今年5月、受刑者が自白したとされる放火を裏付ける狙いで燃焼実験を行ったが、自然発火する可能性を示す結果が出ていた。弁護側は「審理は尽くされた」として新たな実験に反対している。

 弁護側によると、この日行われた検察、弁護側と大阪高裁の三者協議で、検察側はガソリンタンク周辺に小さな穴を開け、少量を漏らして着火しても燃え広がらないことを立証すると説明したという。検察側は8月中旬までに計画の詳細をまとめ、大阪高裁に実験の実施を請求する方針。

 一方、この日の三者協議では、5月の検察側の実験結果の報告書と映像などが証拠採用された。

 事件は小学6年の女児=当時(11)=の母親、青木恵子(49)と内縁の夫だった朴龍(たつ)晧(ひろ)(47)両受刑者=いずれも無期懲役確定=が共謀し、保険金目的で女児を焼死させたとされる。

 「車庫にガソリンをまきライターで火をつけた」との朴受刑者の自白が有罪認定の有力な根拠となったが、弁護側は「ガソリンが漏れ、車庫にある風呂釜の種火に引火した」として再審請求。大阪地裁が昨年3月に再審開始を決定した。