経営破綻した安愚楽(あぐら)牧場の旧経営陣による特定商品預託法違反事件で、警視庁と栃木県警の合同捜査本部は9日、同法違反(不実の告知)容疑で、同社元社長の三ケ尻久美子(69)と元専務の大石勝也(74)の両容疑者を再逮捕した。合同捜査本部は、2人の認否を明らかにしていない。
東京地検は同日、三ケ尻、大石両容疑者を同法違反罪で起訴。元専務の増渕進容疑者(59)については関与の度合いが低いとして処分保留で釈放した。
再逮捕容疑は、平成22年9月~23年1月、飼育する牛が大幅に不足し、出資者に契約通りに割り当てられないのに、全国の86人に実在しない牛の識別番号を記載した契約書を送り、出資を募ったとしている。
三ケ尻容疑者らは破綻直前の23年4~7月、出資者106人に同様の勧誘をしていたとして、6月18日に逮捕されていた。