7月初旬。
父がお世話になっている社会福祉協議会の担当者から妹に父が自動車事故を起こしたと連絡が入った。
病後の生活もままならないのに、わずかな年金のほとんどを車の維持費に使い、車を手放して免許証を返納するよう忠告しても聞き入れず、
車がないとダメなんだ…と挙げ句の果てには怒り出す父。
テレビで高齢ドライバーによる事故のニュースを観るたびに複雑な心境になっていた。
…心配していたことが現実となる。
父が交差点で不注意による信号無視で相手の車も自分の車も全損となる事故を起こした。
相手の命に別状がなかったことだけが本当に何よりも幸いだった。
やっぱり!!いつかこうなると思っていた!!という気持ちと同時にこれを機に免許証を返納してくれるだろうという期待、少しホッとした。
が、父は免許証を返納する気など全くなかった。
全く懲りていない様だった。
社会福祉協議会の職員の説得にも応じず、父は知人から月賦で中古車を購入した。
心から呆れた。
もう父のことは放っておくしかない。
所詮、何が起きても娘として父を支えたり援助はできない、する気さえない。
父は電車やバスに一人で乗車した経験がなく、どこへ行くにも車。田舎では車は生活必需品。
何より、父には病院へ行くのに車が絶対に必要だ。
高齢者講習をクリアして免許更新となれば、警察も違反等による免許停止や失効がない限りは取り上げないらしい。あくまでも自主的な免許証返納だということ。
病気になっても事故を起こしても命拾いする父。
父の悪運の強さにため息がでる。
私は内心、ここで死んでくれたら良かったのにと思った。