味の素って使っていますか?





私が子供の頃は、どの家庭の食卓にも常備してあって、あらゆる料理に振りかけて食べていました。



昭和の食卓の普通の風景でしたよね。



ただ、時代の流れとともに、だんだんと使われなくなってきます。おそらくは自然食ブームとかの流れの中で、「化学調味料」と言う名前がアダになったのだと思います。



味の素が爆発的に売れていた当時は「化学」って言う言葉はすごく良いイメージがあったんですよ。原子力とか化学とか科学とかがパワーワードだった、鉄腕アトムとかがヒットしていた時代でした。



だから時代の流れに乗っかって「化学調味料」と名付けて売ったのでしょう。



でもそれが今やマイナスイメージになっているのです。今では食品に「化学」はマイナスイメージでしかありませんからね。



でもよくよく考えれば、サトウキビを発酵させて作るんですから、かなり自然ですよね。確かに有効成分のグルタミン酸を抽出するのに、化学的な処理をするんでしょうが、おそらく安い焼酎とかを作る過程と大差はないはずです。



化学調味料とか言うと、Aと言う物質とBと言う物質を化学合成して作るみたいな雰囲気がありますが、全然そんなもんじゃなくて、実はかなりナチュラルなものなんですよ。



  中華料理症候群



約半世紀前、中華料理には大量の化学調味料がぶちこんであり、頭痛や大量発汗などの症状が出ると言う中華料理症候群と言うものが問題となりました。



これが化学調味料のイメージをさらに悪くしたんですが、後の臨床実験では、大量のグルタミン酸を投与しても、同様の症状が出ることはなかったと言うことで、化学調味料が原因ではないと結論づけられています。



しかしこの結果のアナウンスはほとんど行われなかったため、化学調味料を避ける動きは、この後も進んでいくこととなったのです。





  リーキーガットに味の素が効く?



ここまでの流れで、味の素は決して体に良くないものではないってことはわかったけど、だからって、いまさらあえて使う必要もなくね?って思いますよね。ですが、それが実はそうでもないんですよ。



と言うのも、近年になってグルタミン酸には胃腸の粘膜をケアして補修する働きがあることがわかってきたんです。



グルタミンに胃腸の保護作用があることはだいぶ前からわかっていたんですが、旨み成分のグルタミン酸にも同様な作用があることが証明されたのです。



あらゆる不調の原因とも言われるリーキーガット。腸に微細な穴が空き、腸の慢性炎症を引き起こすこの症状は、現代人の病気や不調のほとんどに関与していると言われています。そしてこの症状の改善にグルタミン酸が効くことがわかったのです。



https://yakushi.pharm.or.jp/FULL_TEXT/131_12/pdf/1711.pdf



参照動画




最近レコメンドされるんですが、この人の動画はなかなか面白いです。ちょっくらまとめて見てみます。



  旨味ブーストのススメ



人々が避けてきた化学調味料ですが、もう一度脚光を浴びる時が来たのかもしれません。久々にちょっとやってみませんか? いろいろな料理にひと振り。



おすすめは焼肉用の肉に使う方法です。焼肉用の肉を広げて、味の素を軽く振りかけてから、肉を重ねてラップして小一時間冷蔵庫で寝かせます。



あとはこれを普通に焼くだけなのですが、安い肉がワンランクアップした味わいになります。



実はこれ、牛タン屋が一時やっていた裏ワザで、質の悪い輸入の牛タンしか手に入らなくなっていた一時期に、旨味の薄い輸入牛タンをどうにか美味しく食べてもらいたいと、うま味を強化するために味の素を使ったらしいのです。



安い牛タン屋では今でもやっているのかもしれませんがね。



安いセールの牛肉が、高級肉のような旨味たっぷりの肉になります。我が家ではこれを旨味ブーストと呼んで、焼肉の時は多用しています。



その他では卵かけご飯や刺身醤油に一振りがオススメ。ただし安物のたまごや刺身のブーストに限ります。



要するに旨味イマイチな安物の味をリカバーするのに最適ってことですね。



美味しくなって、胃や腸の保護にもなるなんて、まさしく一石二鳥じゃないですか。



ぜひお試しください。



ではでは。