いきなりストレートなリンクを貼り付けましたが、この研究結果を受けて「マルチビタミン意味ない論」は多くのインフルエンサーによって拡散され、それ見た事かー!とマルチビタミン不要派は勢いづいて、胸張り状態となったわけです。


しかしですよ、リンクのざっくりした情報を読んだだけでも「これって意味あるのか?」と思うわけで、少しの疑問も抱かずにに鵜呑みにするのもどうかと思うわけです。


まず実験の方法というか前提というか。約2万人の被験者を対象にしているので、人数的には非常に信頼するべきスケールと言えます。しかし「被験者を二つのグループに分け、片方はマルチビタミン・ミネラルを、もう片方には偽薬(プラセボ)を一定期間摂ってもらった」と言うなら集計結果は信用できるでしょう。しかし被験者群を単純にマルチビタミン・ミネラルを「摂取している」「摂取していない」で分けたと言うんです。コレら2グループって条件同じですか?ってことです。


マルチビタミン・ミネラルを摂取するにはそれなりの動機や理由があるはずです。単に「なんとなく身体に良さそうだから」なんて人もいるでしょうが、健康不安を抱えていたり、偏食で栄養が偏っていることを自覚していたり、貧乏でジャンクフードばかり食べていたりと、さまざまな栄養不足不安を自覚している人が「摂取している」群には多いはずです。


健康リテラシーの高い人はマルチビタミン・ミネラルではなく、足りない栄養素だけを単体で摂取したり、なるべく食品から栄養素を摂るようにしているでしょうし。


それらの理由から「摂っている」群の方が元々の健康度合いが低い可能性が高いと推測できませんかね。そこをマルチビタミン・ミネラルが引き上げて同等にしている可能性が高いんではないかと。


確かにマルチビタミン・ミネラルには負の側面はあります。配合成分量が誰しもに合うわけもありませんし、そもそも栄養が十分足りている人が摂ってもお金の無駄でしょう。一部成分の過剰症が起こる場合もあります。そう言った意味で自分に合うサプリメントを選ぶことは、個々人の知性の見せどころであるとも言えます。


しっかりとした食事を摂り、その上で足りないものをサプリメントで補う。サプリメントが身体に悪いと思っているなら摂らない。どれも個々人の自由です。情報に単純に反応してジタバタするんじゃなくて、自分で考えて納得して対応すればいいんじゃないかと思います。


理性的にいきましょう。

ではでは。