まあ、私ごときが語る話ではないんですが、やっぱりエディってノリを作り出す天才だった訳です。リフを弾いたってソロを弾いたって、その独特な奏法と音選びの方に目が行きがちですが、実は圧倒的にリズム感が凄いわけで、楽曲を通じてエディの作り出すノリがバンドを支配している訳です。


バンドが創り出すノリとかグルーブって、大抵の場合ドラマーがカナメになって、ベースの突っ込み具合や遅らせ具合で大概決まってくるものなんですが、ヴァンヘイレンに関してはエディのリズムがすべてな感があります。


バンドにおいてギターは常にジャストが基本です。キーボードも同じです。中音域を担当する楽器がジャストでないと下手くそな演奏に聞こえてしまいます。ドラマーはスネアの位置でビートを作ります。前々で責めたり、遅らせたりしてその曲に合ったビートを作ります。同様に半分打楽器であるベースもノリを作るために前々だったり遅らせ気味に弾いたりします。その全てのアンサンブルがそのバンドのグルーブと言えます。


エディも同様にジャストです。なのになんとも気持ちよくロックっぽく幾分遅れてる感があるのがマジックだと思います。その秘密は「一拍目を感じさせない」ことだと思います。エディはとにかく一拍目から入ることがないギタリストです。普通の人が入らないタイミングで演奏します。しかもキチンとバックビートに乗る演奏をするからマジックです。2拍目の裏とか3拍目の裏とかから入ってキチンとバックビートに乗るのは天性の才能なのか努力の賜物なのかはわかりませんが、それでいて誰も考え付かないようなソロを無邪気な笑顔で弾くもんで、唯一無二の存在なんだと思います。


正直、今やエディより早くて上手なギタリストはいっぱいいます。みんなエディをお手本に練習してきたんですから。でもやっぱりエディのパフォーマンスには敵いません。


エディと言えばブラウンサウンドですよね。初めてヴァンヘイレンを聴いたのは高校3年くらいだったと思いますが、凄いサウンドだと思いましたよ。時代が変わった感がありました。凄いhi-fi感のある音で「ギターってこんないい音が出せるんだー」と感動したのを覚えています。


そういえばエディのフランケンに乗っていたリアハムはPAFだったんですよね。ギター自体は安物の継ぎ接ぎでも、要のリアハムはちゃっかりPAFを選ぶところはしっかりしていますね。口ではいろいろロックぽいこと言っていますが、音に関してはかなり厳しく試行錯誤して吟味したんだと思います。そういう裏の苦労や努力を見せないようにするのもロックですしね。


もう彼の生の勇姿は見ることができませんが、動画は山のようにありますし、私もジムでトレッドミルやる時は、持参した密閉型のヘッドホンで大音響でright here right nowのライブ観たりしています。最近のトレッドミルはyoutube見れるんですよ。


天才列伝は語りたい人がいっぱいいます。ドラマーのJeff Porcaro もその一人です。char先生のスタジオ版smokyのドラムなんて神業ですよね。あんなノリは誰にも出せないと思います。そのへんはのちのちゆっくりと。ではでは。