杭州はすっかり春模様…

 

周りの中国人6割が、この一週間の間に海外へと出発しています。

今回は、長めに日本一時帰国する~としばしのお別れご挨拶に伺うと、ちょうど私も日本行く・台湾に行く・アメリカに行く………。

昨年11月終わり~12月初旬も同じような感じで、何となく中国国内の経済停滞を感じ、コロナ禍を経て海外の最新情報を求めて、積極的に行動していることを肌で感じます。

 

日本の拠点づくりと、本格的に日本の中小企業と海外を結ぶ”架け橋”を始める準備をするために帰国する、今回は長めに帰国…と宣言して歩いた1週間。

杭州に来て13年目、初めて長期で日本への一時帰国を決断したものの、工場のことや中国の景気、日本でのビジネス、今から新しいことを始める不安、生活の中心が杭州になっていることへの不安、久しぶりの美味しい食事や景色など、たくさんの期待と不安を抱えての帰国となりました。

 

日本に帰国して、ニュースを見・街を歩き・各種手続きを少しづつ始めて、改めて、隅々まで考えられている丁寧さやマナーの良さなど、ほっとしつつ危機感を持つこともあります。

 

 

 

人材育成または技術継承という、どの業界においても大切なこと。

 

海外で知見を広げる、大切なこと。

いろいろな文化に触れる、大切なこと。

 

ただ、人材育成や技術継承に関し、体系的なプログラムは日本にないのか、これだけ活躍した世界的な選手でも、”選手としての価値”だけを求められているような記者会見で、次の世代につなぐことが軽視されているような印象を受けてしまいました。

 

いい選手が必ずしもいい指導者ではない…技術者が必ずしもいい経営者ではないのと同じで、それぞれの役割があってよいと思いますが、経験を生かして、さらに新しい境地を開こうとしている人に対して、もっと多くのサポート体制や学びの場があってもよいのではないかと感じました。

 

最近、海外で日本人の寿司職人の需要が高まっているとか、海外が稼げる! という記事を見かけます。また、大リーガーが合流し、日本のプロ野球選手ですら目を輝かせている姿も目にします。

 

”異形”であることは、注目され尊敬もされますが、時には軽んじられ無視されることがあります。海外に出ることや、日本に来ること、いろいろな人がいて、いろいろな選択肢がある。異形を受け入れる柔軟性と、その柔軟性の基礎となるものを学ぶ力と好奇心。そんなものが大事だと、帰国1週間目に日本で考えました。

 

日本の中小企業と海外を結ぶ”架け橋”、13年の時を経て、いよいよ始動!

 

 

 

中国でアウトドアが人気と、日本でも報道されるようになりました。

 

日本酒とアウトドアに追い風吹いた輸入博、ジェトロ代表「中国市場を知る重要な場」(2022年11月16日)|BIGLOBEニュース

 

日本のM16に代表される洗練されたアウトドアグッズの製造元は、元金型屋さんや板金加工屋さんなどが含まれていたりして、小さな工場だからできる柔軟な対応が成功している例なのかもしれません。

 

 

ここ杭州市内にも、アウトドア用品やアウトドアをコンセプトとした、それなりの規模のカフェやお店が1つの区域だけですでに5-6件あります。

 

アウトドア用品のコンセプトカフェ(杭州)

 

もともと、知り合いの中では釣りや散歩(ウォーキングやかなりの距離を歩いたり、小高い丘のような山を山登りと称してひたすら散策する)は、生活に非常に溶け込んでいる状態でした。

 

ここ数年で、釣り用具専門店がショッピングモールの中にできたりしていて、余暇の過ごし方の幅が広がった感があったのですが、さらにオートキャンプ場やテントをはじめ、郊外のキャンプ場にテントを張ってランタンを灯し、コーヒーを沸かして一晩過ごす…なんて生活も、受け入れられています。

 

アウトドア用品のコンセプトカフェ(杭州)

 

 こういった生活を楽しんでいる中国人が増えてきているようです。釣り道具やアウトドア用品の日本のブランド名は、日本人の私より知っていて、日本で欠品が続いているM16製品もほぼ全員、ほぼ全製品ラインナップを保有している感じです。

今、こういった製品を購入している層は、「日本製だから」買っているのではなく、その製品の持つ世界観(ものづくりの裏にあるストーリーや、全体的なデザインなど)に共感して購入しているように思います。

 中国では、もちろんブランドも重視されていますが、「価値を感じる製品、共感を呼ぶ製品」であれば購入されるようになってきています。中国人に好まれるデザインを熟知した中国人デザイナーも、デザインだけでなく、素材や品質など、日本人よりこだわりを持っている方に会うこともしばしば。もともと、話好きの中国人(ある意味自慢大会だったり、ウンチクを語る人が多いお国柄なのかもしれません)が、仲間と情報交換をして、あっという間に広がっていく…いろいろな面で中国のリアルな変化を感じることができます。

 

 今のところ、圧倒的に日本やアメリカのブランドが多いのですが、テントやテーブル・イスなどは中国ブランドもかなり人気。しかし、細かなグッズ:例えば4WDの車に付けるアウトドアグッズなどは、輸入品しかなく、しかも入荷に非常に時間がかかり、中国人の購買意欲を満たしていないのが現状。

 

 

「0→1が苦手な中国人」「1→100が得意な中国人」などで形容されるように、悪く言えば”パクリ”から入って量産化、さらに現地化をしていく工程はものすごいスピードで実現していきます。このビジネスモデル、やはり外国企業が理解し、真似ることが難しい。次々に成功していくのを見て、日本人が一言「またパクリ」。

いえいえ、そもそもこの世の中、本当の意味で新しいものや高い技術が必要なものなんて、そんなにあるわけではないので、このスピードが非常に大事だったりするのです。

 

 日本や海外に留学して、そのまま海外にも居住拠点を持ちつつ、中国を行ったり来たりしている中国人たちが、いろいろな物や情報、価値観を中国国内に持ち帰り、ローカライズし、ものすごいスピードとネットワークを駆使してビジネスを創り出していて、この中にいるといろいろな意味でワクワクさせられます。

 

この市場に、外国人の私がどうやって価値を提供できるか…

彼らを惹きつける魅力を、ここ杭州で持ち続けられるか…

このワクワクを日本にどうやって還元できるか…

 

 

まだ杭州で生きています。

 

 

 

 

 

 

 

先日、和菓子;琥珀糖をアメリカで販売し、地球で耀く女性100人(2018)にも選ばれた三木アリッサさんの記事を拝見しました。

 

三木アリッサさんのMisaky Tokyo

 

 

ここ杭州で、2012年ごろから和菓子の提供を始めて、和菓子・日本料理風の盛り付けや家庭料理の教室やプロディースもやっている私にとって、そして海外で日本の文化を広めていくことを含め”日本から飛び出す”ことについて、いろいろと考えさせられました。

 

約30年前に、日本から中国・杭州へ工場を移した先代。

学生時代に初めて行ったアメリカから海外に興味を持ち、約30年前からアジア各地を行き来していて、2010年に杭州に来た私。

海外との関わりの中で、日本の良さに新たに気がつき、日本がまた好きになるのは本当で、日本人であることを誇りに思い、日本人以外になれないことを残念にも思う。

 

そんな中で、製造業という、日本の中でもある意味トップクラス的に日本らしい業界に入り、その面白さと閉塞感を常に感じる中で、良く言われるのが”技術の流出”。

 

プラスチックの環境問題と。 でも書きましたが、技術はこれからDXが進めば進むほど、どんどん差がなくなるはずで、優れているのは技術ではなく、向上することを高いレベルで継続していける力。海外に工場を移転したことで、とてもひどい表現をされたりすることも度々あります。

発信し、製造する舞台が日本であれ海外であれ、良いもの・優れているものを紹介したり、友達同士でシェアしたりすることもいいと思いますが、ここ杭州の工場はビジネス。ビジネスである以上、体系的なシステムと収益が伴わなければ、何者でもなくなってしまいます。

 

カルフォルニアロールが寿司か、天津丼が中華か、はたまた金型がどこ製であるかは問題なのではなく、それが美味しければ良い。消費者に信用して買ってもらえる商品が製造できる金型であれば良いわけで、それ以上でもそれ以下でもないわけです。

まずはしっかりと収益を上げて、ビジネスとして成立させること。そしてビジネスは変化を伴うものであると心して継続していくこと。

 

技術や文化を伴う業界は、変化に後ろ向きであることも多いと思うし、仲間内の美学で終わったり、時には攻撃を受けることもあるでしょう。それでも、彼女のように概念にとらわれることなく、真摯に向き合ったからこそ、現地の方にも受け入れてもらえたというのも、海外にいる方は特に、身をもって体感していることだと思います。

 

こういう日本人がもっと増えて欲しいと思うし、業界は違うけれど、自分にとってもいい刺激になると、感じました。

 

まだまだ杭州で生きていきます。