森高千里が20年ぶりに全国ツアーをするということで、迷いつつチケットを購入した。
様々なアーティストのコンサート、舞台を見てきた私にとって、初めての森高千里のコンサートであった。

会場に着いて驚いたことは、男性の多さ、9割以上が男性、40代から50代がメインの客層であった。兵庫県の加古川市という地方都市の公演であり、一般的に地方都市の公演では地元のおじさん、おばさん、ファミリー層が多いのだが、ほぼ熱心な森高千里ファンで埋められていた。私にとって、男性9割以上のコンサートは初めてで、戸惑った。森高千里って、女性ファンが多いと思っていたが、圧倒的な男性ファンの数である。また、親衛隊らしき人も何十人かいて、新鮮であった。
客は初めから終わりまで立ちっぱなしであった。これも森高千里のキャリアや年齢を考えると非常に珍しい。二時間立ちっぱなしは正直疲れる。雨や渡良瀬橋などのバラードでもファンは立ちっぱなしだった。

今回、20年ぶりのライブということで、ヒット曲のオンパレードであった。森高千里、本人が言うとおり、彼女の代表曲はすべて歌われている。

森高千里は、当時の振りやセリフを忠実に再現して、歌っており、これはファンは嬉しいだろうなと思う。そして、ストレスではウエイトレス姿、17才ではひらひらスカートに着替える等、サービス満点である。これだけキャリアを重ねても振りつけや当時を彷彿させる衣装を着るのはかなりのサービス精神とプロ根性である。


また、コンサートのMCも非常に上手く、数多くのステージをこなしてきた、アーティストだけのことはある。森高千里が、他のアーティストと違うのは、コンサートで訪れた街のことを熱心に勉強している点である。今回で言えば、加古川の街を実際に歩き、春日神社などの数カ所の観光地、商店街を訪れ、地元で有名なかつめし、西川のパン、などを食べていて、その話をMCで話していた。また、森高千里に熱心な女性ファンがいて、何度もファンレターをもらい嬉しかったこと、彼女のファンレターを楽しみにしていたこと、彼女が加古川市在住であった話をしていた。

はっきり言って、こんなアーティストは初めてである。訪れた場所のことをMCで少し話すことはあってもここまでコンサートで訪れた街を実際に歩き、いくつもの名物を食べて、街を知ろうと努力している人はいない。森高千里は、この街や渡良瀬橋等、その土地、郷土愛をテーマにした曲がいくつかあり、彼女の感性の賜物であろう。

森高千里の魅力って、こういうところなんだろうなとつくづく思った。

色々なアーティストのコンサートを見ていると、その人の人柄が伝わっているが、森高千里は、またコンサートに行ってみたいなと思わせる素敵な人であった。49才、子供がいる森高千里が変わらぬ美しさを保っているのは、内面の美しさからだろう。