A/F値を測ってみよう | あさぷーのなんでもできるかな

A/F値を測ってみよう

今回はA/F値の測定である。日本語でいうと空燃比である。空燃費ではないので注意されたし。

空燃比とは、混合気における空気質量を燃料質量で割ったものである。


ガソリンエンジンでは、空気中の酸素と燃料が過不足なく反応する時の空燃比を理論空燃比(大体14.7)といい、出力を稼ぎやすく発進時や加速時に使う出力空燃比(大体12.5)がよく使う数値である。


しかし、理論空燃比はともかく出力空燃比はロータリーエンジンにとっては薄すぎる。

ではどのくらいがよいのかというと大体10後半らしい(ショップで聞いた話)。


また、ロータリーエンジンはA/Fが高い(薄い)とエンジンブローするし、低く(濃い)てもまたブローする(エンジンオイルが燃料で希釈され潤滑されないためらしい)。


てなワケでサーキット走行時のA/F値を測定することとなった。


まずは使用するA/F計を選定せねばなるまい。

ちなみに選定条件は以下のとおり。


1.ワイドバンドA/Fセンサーを使用していること。

  安いA/F計は純正のO2センサーを利用している。で、ちょっと前の自動車は純正のO2センサーとしてジルコ 

  ニア素子を使用しているが、コイツは理論空燃比を境に電圧が急変するのと、理論空燃比付近以外の領

  域は正確に測れるシロモノではない、さらにA/F値が排気温度に依存してしまう(要は使い物にならない)。

  

  最近の自動車は燃費を良くするため?A/F値を正確に測りリーンバーンを積極的にしようとしているようで、純

  正でもワイドバンドA/Fセンサーを使用しているらしい。有名なのはボッシュ製のO2センサーで、補修部品で

  買っても1万円以下で、10万キロ以上つけっぱなしでも大丈夫らしい。ちなみにちょっと前のワイドバンドA/F   

  センサーは寿命が非常に短く、高価(5万以上、ヘタすると10万超え)セッティング時にしか装着できない状況だ

  った(時代が変わったようだな・・・)。


2.ある程度安いこと

  3~5万くらいかな。


3.アナログ出力できること

  この機能がないとA/F値のログが取れない…。


4.普段見る用にメーターがついてるといいな

  でないとちょっと見ができない…。


5.製品のサポートがしっかりしているといいな

  でないと、故障時に困る…。


ずいぶんわがままな条件だが、候補は以下のとおり。


1.GRID LX-2

  GRIDが販売しているA/F計。製造元はINNOVATE社。最近値下がりして\40,800(代引き手数料&送料サービ

ス)。2ヶ月前に買った時は\46,000くらいだったのに…(´・ω・`)

  他にロガー付きのLM-1、センサー、アンプのみのLC-1がある。


2.PLX DM-5

  センサー、アンプ、メーターのセット。O2センサーがボッシュ製の新タイプになった?(未確認)、コントロール 

  部(アンプ?)が32bitでハイレスポンスで高精度な空燃比の計測が可能らしい。自動車メーカーや民間の研 

  究室で採用されているみたい。値段は\52,800


3.テックエッジ WBO2E0

  センサー、アンプ、メーターのセットもあるみたい。これもボッシュ製O2センサーを使用。値段は\58,000。


んで、早速調査開始。

調査結果:

・Webで使用レポートが多い。

・今使ってるセッティングツールへの接続説明書がある(英語だけど)

・買いやすい(GRIDから直接買える)


でGRID LX-2にした。代引きができるので、注文してから2日ほどで到着。

早速車に装着。




アンプ部分はバルクヘッド付近マスターバック上にタイラップ留め。

ウチのクルマはタービンを換えており、O2センサー用の穴がタービン近くにあるためこの位置にした。


左下に見えるのは銀次郎。コイツをつけるとサーキット走行時に水温が気にならない。


ここからインナーフェンダーを通って配線を車内に引き込む。





メーターはココにマジックテープ留め。中央部にデジタル表示でA/F値が表示される。




A/F値のアナログ出力は赤いコードでロガーに接続。

んで、シリアルケーブル → USB変換ケーブルでPCへ接続。


まずは、A/Fセンサー専用ソフトで初期設定。



一度メータとアンプの配線を外して、アンプの配線にシルアルケーブルを接続。PCで専用ソフトを起動してアナログ出力の設定を変更。

セッティングツールの説明書によると、以下の通りにしろと書いてある。


・0VでAFR9

・5VでAFR16

・「空燃比を使う」を選択


その通りに設定して保存。確認のため、もう一度設定画面を開くと「ラムダ値を使う」が選択されていたが、表示が違うだけみたいなので、そのままに。


次にキャリブレーション(較正)を行う。といっても電源入れて2分ほど放置した後、黒線を3秒間アースするだけ。

続いてメーター、PCへケーブルを接続。


最後にセッテイングツール側の設定。



アナログ出力をAN1に接続したので、AN1の項目を設定して完了。

最後に正常にA/F値が取れるか近所を一回り。




動作に問題はないみたい。


んでは、早速サーキット走行時のA/F値を測定。



青緑?っぽいのがA/F値、赤がブースト、水色がエンジン回転、黒が車速(他は説明省略)。


各ギアとも全開時4000~6500rpmでA/F値が10中盤~後半。

6500rpm以上でA/F値11~12。

6500rpm以上はこのくらいじゃないと逆に回転が重くなるらしいのでこのくらいでいいみたい。


ノックレベルはおおむね20以下。

7500rpm以上ではブーストが1.25くらいになるのが気になる…


とりあえずは問題なし?


とりあえずサーキット走行時は継続して測定していく予定。