私は、令和5年 春の叙勲 を受章しました。
私は、このような章を頂くようなことしておらず、「今でも、何故私が、他にも多くの功績を挙げられた方がおられるのに」という思いであり、私自身驚いているのでございます。
一公務員として与えられた仕事を自分の能力の範囲内で頑張ってきましたが、決して優れたことをしたという認識も無く、皆さん同じようなことを、いやそれ以上のことをしてきておられると思っています。
37年間の教育公務員生活の中では、かなり大変なことも多く体験したことを覚えていますが、様々な問題を解決しながら目指す目標に向かって微力ながら頑張りました。
受章の解禁日が近づくと報道機関から取材依頼が数社から有りました。その理由は、私が泊村教育委員会に県から派遣されている時にグラウンド・ゴルフを中心となって考案したからだと思います。この時点では、私もグラウンド・ゴルフとの関わりが評価された面も大きいと思っていました。
グラウンド・ゴルフは、話題性があるので新聞やテレビの取材を受け報道され、多くの方はグラウンド・ゴルフの関係で受章したと思っておられると思います。
この度の叙勲の受章は、グラウンド・ゴルフと関係ありません。
長年にわたり学校教育の振興に尽力したことによるものであると時間がたつと共に明確になってきました。
私もグラウンド・ゴルフは、受章には大きく影響していないと考えています。なぜならばグラウンド・ゴルフは、37年間の教育公務員生活の中のわずか3年間なのです。
私は、県教育委員会事務局や校長時の危機管理能力、そして、学力向上や部活動の振興など学校教育における多くの取り組み実績が、たまたまのタイミングで評価されたものと思っています。
そのようなことで、少し教員や校長時代の事を以下に書いていますのでご一読頂ければ幸いです。
三朝中時代は、多くの関係者からご指導いただき教員としての資質を身につけさせて頂いたと感謝の気持ちで一杯です。三朝中の取り組みとして次のような授業での思い出があります。
恵まれた教育環境の中、私も授業改善に取り組み生徒自らが主体的に取り組む授業のあり方を研究し、私としても自負できる授業が完成したと思っています。
一例ではありますが、生徒が体育の授業がある前授業の先生に「先生、時間が来たので授業を終わりましょう。次は体育の時間ですから」と言って、とにかくやる気満々であると、他の先生から話を聞き、生徒が主体的に取り組む授業が完成したと感じました。
生徒の姿は授業開始のチャイムが鳴ると準備運動は終わっているような状況でした。私の教員人生の中であれだけ充実感を感じたことはありませんし、自分で言うのもおかしいことですが、私の目指す授業が完成しました。
今でも、何処に出しても恥ずかしくない授業で有り教師冥利に尽きる思いを感じています。私の学校教育の原点は三朝中学校にあります。
そして、県教育委員会で鍛えられ、その後、校長として倉吉市立河北中学校5年、倉吉市立東中学校3年と倉吉市内の中学校に勤務させていただきました。
この校長8年間を振り返ってみますと「様々な良くない事があろうとも、その事に正面から対応しながら学校全体を目指す方向へ向けて職員と協力ながら推進し続けたことは確かでございます。
学力向上につきましては、河北中では、自己学習カードを作成し生徒が自分理解できている所、理解できていない所を明確にして理解できていない所を学び直す取り組みを柱にして学力向上に努めました。
倉吉東中では、更に河北中の取り組みを発展させ、年間を通しての学習評価システムの構築とフォローアップ方法(分からない所を再度学習し理解する)を研究実践し、生徒自らが課題を明確にし、自ら解決に取り組む時間を確保し学校全体で取り組みました。
また、教師も自らの指導を自己評価し指導方法の改善に努めました。その大本となる方向性を示した、生徒の主体性を育てるための『自学のすすめ』を作成し、生徒が自ら学ぶことの考え方や方法を明確にし生徒の自主性を育くみました。
結果として、高い学力が生徒に身についていったと思います。全国学力調査でも良好な結果が出ていたと認識しています。
部活動につきましても、熱心な先生の指導のもと、生徒も一生懸命練習に取り組み結果として玄関には優勝旗が沢山並んだと記憶しています。」
このような取り組みに力を入れたことを今でも覚えています。8年間倉吉市内の中学校で自分の考えている教育に取り組ませていただいたことに関係者の皆様に深く感謝しているところでございます。
しかし、このようなことは、どの学校でも取り組んでいることで有り、そんなに高く評価されることではないと私は思っています。
これらの学習、部活動、生徒の安全管理、環境整備等もひとえにPTAのご理解、ご協力、地域の方々の学校を支えてやろうというご支援のたまものと感謝いたしているところです。
2023年6月吉日
朝 井 正 教