足の速さ。 | 徒然に。

徒然に。

思ったことを気ままに。

 元興国監督で、10年間でプロを50人ほど輩出した内野監督が、↓のように語っています。

 

 

 最も大事な要素のうちの一つは、「速さ」だと語っています。

 

 これは私は非常に納得できることがあります。

 うちのチームで、昔から足だけはやたら速い子(ぶっちぎりの学年一位)A君がいます。

 ただ、足元はあまり器用ではなく、小学生高学年ですが今でもリフティングは20回もできません。

 さらに、コーンドリブルはずっと徹底してやってきましたが、なかなか上達しませんでした。

 それが数年地道にやってきて、やっと最近「普通にできるレベル」くらいになってきました。

 すると、試合では突然圧倒的になってきました。

 これまではスピードに任せてサイドにボールをボーンと蹴って走るドリブルで、相手にひっかかるかタッチラインやゴールラインを割るばかりでした。

 それが一応、相手と正対して切り返すことはできるようになってきました。

 うまくなってきたとはいえ、上手な子に比べれば非常に不格好な切り返しです。

 それでも足が速すぎるので、相手にボールがひっかかりさえしなければ、読まれていようが絶対に抜けます。

 相手が強豪とかそんなことはA君にとっては全く関係ないのです。

 A君より速い子は、少なくとも対戦したチームには誰もいないので、相手チームのレベルは関係ないということになります。

 

 私は最近のA君の圧倒的なドリブルを見て、ちょっと考え方を変えつつあります。

 もちろん幼少期に「技術」を磨くのは絶対的だと思います。

 ですが、同じように絶対的にやらなくてはならないのは「速さ」を磨くことではないかということです。

 先日の試合でA君が、明らかにリフティング1000回以上できるなという子と対峙したとき、ボールさえうまい方向に切り返せれば読まれていようが絶対に抜いていく姿を見て、私は不条理さえ感じました。

 相手のうまい子は、プレーからして、幼少期から技術を磨いてきたと思います。

 ところがA君は、他のスポーツと掛け持ちしたりしていて、練習に参加しないこともよくある子なのです。そういったこともあり、未だにリフティングは20回くらいしかできないのです。週のうちサッカーをやるのは、うちの練習に来るときだけでしょう。つまり週1回か2回、2時間くらいサッカーをしているだけです。

 ですがそんなA君に、幼少期からたくさんボールを蹴ってきてA君より何段階も上手な子でも、なすすべなく抜かれてしまいます。

 そして私は「足が速くなるための練習」という観点を、もうちょっと徹底していれるべきだと感じました。

 私は↓がかなりいいなと思っているのですが、最近まったくやっていなかったので、重視していれようかなと思っています。

 

 

 

 あとは、速さともつながりますがアジリティーの部分で「鬼ごっこ」はやっぱり鉄板だなと再認識しています。

 私は練習時間のうち15分~20分は鬼ごっこをやりますが、明らかに身のこなしが良くなると思いました。

 

 最近A君以外に、B君についても考えさせられました。

 B君はA君と同じく違うスポーツ(格闘技系)と掛け持ちをしている子で、やはり練習に来るのは週2回くらいです。

 彼もリフティングを20回もできません。

 ですが、それでもうちのクラブにずっといるので、コーンドリブルは数年にわたりやってきています。

 それでB君もドリブル技術がついてきた途端、ゴリゴリにドリブルでいけるようになってきました。

 彼はA君とは違って、切り返したあと、相手を吹っ飛ばして突進します。

 

 A君もB君も、サッカーとは異質な要素が強いのですが、逆にサッカーだけしかやってきていない子を圧倒的に上回る部分があります。

 それは今はまだ極めて限定的です。

 ですが、もし彼らが「今後はサッカーでやっていきたい!」と考えたとき、現段階でリフティングが20回できないことや試合において適切な状況判断ができないデメリットと、圧倒的な速さや球際の強さのメリット、どちらが上かを私は考えます。

 私の観点では、メリットが上回るのです。

 たとえば、↓は現世界王者のアルゼンチン名門クラブ・リバープレートの若手のプレー集です。

 やたらドリブルばかりですが、アルゼンチン人がドリブルを最重視するから、こういう編集の仕方になります。

 もしスペイン人だったら、サイドチェンジのパスなどを、名場面に入れるでしょう。

 こういう、「いいプレー集」を作る側が何を選ぶかで、その人の価値基準がわかるというのが、メタ認知的でありおもしろいところです。

 そしてアルゼンチン人は、ごりごりのドリブルを名場面に選ぶのです。

 

 

 アルゼンチンは、世界の強豪のなかでも異質だと思います。

 とにかくドリブルでごりごり突進するスタイルです。

 ですがだからこそ、なにかサッカーの技術以外のものが、強烈にアルゼンチンサッカーに入っている気がします。

 そしてそこで大事なのは、もしかしたら、サッカーの技術とは違うところかもしれないと思うようになってきました。

 

 これは私の新しい挑戦です。

 ただ、過去に全く方針を変えたら選手が育たなかったように(今でもその代の子には謝りたいです)、今やっていることを継続しながら、新しいことを入れたいと今思っています。