パラレルワールド、日本語では並行世界と呼ばれる概念は、SF作品などでよく取り上げられ、私たちの想像をかき立てます。しかし、SFだけの話ではなく、量子力学という現代物理学の一分野と密接な関係を持っているのです。

量子力学におけるパラレルワールド

量子力学では、粒子の状態を波動と確率で表すという、直感に反するような考え方があります。例えば、ある粒子の位置を測定しようとしても、量子力学ではその粒子が同時に 複数の場所にある可能性を示唆しています。

この量子力学の奇妙な性質を説明するために考案されたのが、多世界解釈と呼ばれる理論です。多世界解釈によれば、量子力学的測定が行われるたびに、全ての可能性が実現した別々の世界が分岐していくと言います。

つまり、私たちが生きている世界は唯一のものではなく、無限ともいえる数の並行世界が存在する可能性があるのです。それぞれの並行世界では、コインの裏表、サイコロの出目、歴史の分岐点などが異なっているかもしれません。

パラレルワールドの存在を証明できるのか?

多世界解釈は、パラレルワールドの存在を説明する魅力的な理論ですが、その存在を証明することは非常に難しいと言われています。

なぜなら、他の世界と行き来することはできず、観測することができないからです。しかし、間接的にその存在を裏付けるような現象が発見され始めています。

例えば、量子もつれと呼ばれる現象は、離れた場所にある粒子同士が互いに影響を与え合っているように見える現象です。これは、複数の並行世界が互いに繋がっていることを示唆していると考えられています。

パラレルワールドの謎と今後の展望

パラレルワールドは、まだ多くの謎に包まれています。しかし、量子力学の発展と共に、その理解が深まりつつあります。

将来的には、パラレルワールド間の通信や移動が可能になるかもしれません。これは、SFの世界を超えた、全く新しい科学技術の発展につながる可能性を秘めています。
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