【就業規則に『賞与』とありながら、『賞与』とみなされない例】 | Akko☆女性社労士~徒然日記

Akko☆女性社労士~徒然日記

妊娠中に離婚して早くも23年。28歳、産後4ヶ月から勉強を始め、社労士と行政書士の資格を取って就職→2006年に独立開業,現在17年目。

仕事以外の趣味はランニング‍とゴルフ⛳️ハワイ✨飛行機✈️組
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おはようございます!

先日、賞与のことで友人とのたわいもない会話。

その会社は慣行で、賞与は毎年 夏は○か月分、○か月分と全員に支給してきたのですが、
今回10年以上勤めていて 初めて、その○か月分については、
勤続年数によって差をつけてきたそうです。

しかも、その友人は下がったほうで…

そこで不満が…

友人『ねね、これってさ、支払わないとまずいんじゃないの?』

とが『でも、賞与って、普通は会社の業績や本人の能力を重視して決めたりするものだから、理由があるならそれをきちんと聞いて、次はどうすれば賞与が上がるのかを検討することのほうがいいと思うよ。ちなみに就業規則はどうなってるか分かる?』

友人『それがね…就業規則は配られたけど…賃金規程は別になっていて、金庫の中だと思う。』

とが『それじゃー分からないよ。ちゃんと見せてもらおうよ~。労働基準法で、就業規則は従業員に周知することが必要とされてるんだよ。例えば、会社の中のいつでも見れる場所においておくとか、社員に配るとか。賃金規程だけ金庫の中って…賃金規程も就業規則の一部なんだよね~。』

友人『じゃ、それを見せてもらわなきゃね。』

ということで、
『まずい?まずくない?』は、
まずは就業規則にどうやって規定されているかを確認してもらわないと、なんとも言えません…。

最近の就業規則は概ね、
『賞与は本人の勤務成績、勤務能力~云々~によって支給する。ただし、会社の業績の著しい低下その他やむを得ない事由がある場合には、支給日を変更し又は支給しないことがある。』

となっていると思います。

しかし、昔ながらの就業規則がそのままになっている場合、

(賞与)
賞与は以下のとおり支給する。
支給対象期間 ○月○日~○月○日  2か月分 支給月 7月。
支給対象期間 ○月○日~○月○日  1.5か月分 支給月 12月。

その他一切なし…


ということになると、
支給額の決定方法も記載がありません。
むしろ当然に2か月分なり、1.5か月分なりは支払われることになっています。
しかも、在籍要件『ただし、賞与は支給日に在籍している従業員に支給する。』
という言葉もありません。

昭和22年9月13日発基173号の通達では
【賞与とは、定期的又は臨時的に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないものをいうこと。定期的に支給され、かつ、その支給額が確定しているものは、名称の如何にかかわらず、これを賞与とみなさないこと】とされています。

つまり、裏を返すと
【支給額が予め確定されているものは、賞与ではない=通常の賃金になる。】
と思われます。

就業規則は、労働条件の一部です。

このような就業規則がそのままになっていれば、
今回の賞与(=賃金)を下げることは労働条件の不利益変更の問題が生じます。

労働条件の不利益変更は、事業主が一方的に行ってよいものではなく
原則として労働者の同意が必要とされています。
また、同意のほか不利益変更をしなければならない合理的な理由も当然求められます。

労働条件の不利益変更については、数々の判例もありますし、
労働契約法でもその手続きについて記載がありますので、
このような場合は慎重な対応が必要です。

古い就業規則はそのままにせず、金庫に入れず、きちんと見直しをしておかないといけませんね。

昭和の時代の就業規則を大事に金庫に保管するお気持ちは分かります。
私も、昭和の時代のオンナなので昭和時代のものは思い入れもあるし、昭和の時代の音楽のほうが好きです。

(そういう意味で保管してるんじゃないか…でも、私も昭和の思い出は【心】の金庫にしまってあります♪)

でも、就業規則はそうもいかないですね。
たまには金庫から出して眺めてみてください。
眺めて分からなかったら、知り合いの社労士に見てもらってください(^^

時代遅れな部分が沢山見つかるかもしれません!

だって…昭和の時代って、

こんなネット社会でもなかったし…
有給休暇の付与日数も違っていたし…
裁判員制度なんてなかったし…
現在の男女雇用機会均等法の前身にあたる法律が出来たのも、昭和47年。

(私が生まれた年だわ…。そんな時代に生まれたのね、私…女性って大変だったのね…)

最後までお読みいただきありがとうございました。

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