その銭湯へ「新人社員の分際で就業中に銭湯にくるとはいい度胸だ」とほめられたから「それほどでもありません」と、謙遜した。そんなこともあって、入社そうそう社長とすっかり仲良くなった。先日、その銭湯へ行ってみたが、もう営業をしていなかった。それで神田神保町へ行き、梅ののれん湯につかった。梅の湯は神保町路地裏でひっそりと占い暖簾を守っている銭湯だ。脱衣場の横にある黄色い色ガラスといい、番台の上の木製レジスター、大きい三枚羽根の扇風機といい、大正モダーンのムードが濃い。