弁護士石井一旭のよしなしごと

弁護士石井一旭のよしなしごと

京都市中京区・あさひ法律事務所弁護士石井一旭のブログです。
折を見ては書いている個人的備忘録ですが、
これもいつか誰かを暖めうるかもしれません。
一隅を照らす、これ即ち国宝なり。

自転車をよく利用する人間としては触れざるを得ないトピックです。

 

今年の5月17日に改正道路交通法が成立し、

自転車の危険な運転に対する禁止事項・罰則の強化が行われています。

このうち携帯電話等の使用の禁止について、わかりやすくまとめておきます。

 

自転車を運転する場合において、

「携帯電話用装置、自動車電話用装置その他の無線通話装置(その全部又は一部を手で保持しなければ送信及び受信のいずれをも行うことができないものに限る。第百十八条第一項第四号において「無線通話装置」という。)を通話(傷病者の救護又は公共の安全の維持のため当該自動車等の走行中に緊急やむを得ずに行うものを除く。同号において同じ。)のために使用し、又は当該自動車等に取り付けられ若しくは持ち込まれた画像表示用装置(道路運送車両法第四十一条第一項第十六号若しくは第十七号又は第四十四条第十一号に規定する装置であるものを除く。第百十八条第一項第四号において同じ。)に表示された画像を注視しないこと。」

との定めがされました(法71条5号の5)。

これに違反して「道路における交通の危険を生じさせた者」は

一年以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処する」とされます(法117条の4第2号)。

 

6ヶ月を超えない範囲で施行(効力発生)される事になっていますが、

今から気をつけておくべきでしょう。

 

長い話ですが要するに、

「全部又は一部を手で保持しなければ

 送信及び受信のいずれをも行うことができないもの」である

携帯電話やスマホ、タブレットなどの通信機器は、走行中通話利用してはいけないし、

取り付けたスマホ画像を注視してはいけない、ということです。

 

「通話利用」にはZOOMやMicrosoft Teams等のリモート会議機能の利用も含まれます。

もちろんLINE電話とかポケトークとかもダメです。

また、「全部又は一部を手で保持しなければ」というのは

使用する機種の説明であって行為を指すものではないので、

「スマホを手に持たないで(例えばポケットに入れて)通話すること」も禁止されます。

 

走行中の通話は全面禁止、と捉えてください。

 

「取り付けたスマホ画像を注視してはいけない」というのは、

走行中にYouTubeを見てるとかあからさまにダメなことだけではなく

ナビアプリの画面を見ることも駄目ということです。

 

ただし、スマホ使用そのものが禁止されているわけではなく、

あくまで「通話利用」と「画面注視」が禁止されているだけなので、

例えばナビアプリを立ち上げて自転車にセットして走行し、

音声案内に従って(画面を見ずに)走行することは禁止事項に該当しません。

 

自転車走行時のナビアプリ使用は、停車時の確認に留めるか、音声案内にしておく

(ただしイヤホン使用も駄目なことを忘れずに。

 公安条例において禁止されていることが多い)、

ということになるでしょうね。