高山恭子に打診されたこと、それは2年生阿部健太のフル覚醒だった。
阿部健太のスペック(20230161)
守備のいいショートで、早くから入部し、順調に成長してきた。
次のチームでは正ショートがほぼ決定している。
恭子の言う通り、現チームのショートが決まらないのなら、次チームの正ショートに託すのも一つの手だ。
ただ、フル覚醒には抵抗があった。
彼の成長タイプが早熟だからだ。
星1つだと早熟の方が有利であるが、逆に努力の結晶を使用するなどして星を上げていく場合は、晩成の方が上昇値が高く有利なのである。
よって、早熟の阿部をフル覚醒させることは、晩成の生徒を覚醒させるよりもメリットが少ないのである。
ただ、フル覚醒に関しては別の側面がある。
主将・副将の能力についてだ。
主将・副将の能力については、人望が最も大事であるが、覚醒レベルが影響することは明らかである。
よって、主将・副将に任命する生徒はレベルもなるべく高い方が良い。
現2年生でレギュラーが確定しているのは阿部と新木一平の2名のみであり、この二人を優先してフル覚醒し、主将・副将にするのもいい選択である。
新木一平のスペック(20230135)
そのため、3年生チームでも阿部にショートを任せるなら、今から彼をフル覚醒するのも一つの手だ。
監督は腹を決め、阿部健太のフル覚醒を行った。
他の3年生ショートと比べると打力は落ちるが、守備力は上。
これでショートは決まった。