「夢だったもの」、「夢のマイホーム」、「子供の頃からの夢」…

 テレビを観ていると、やたら「夢」という言葉を耳にします。

 

 確かに夢は大切ですよね。

 「夢=目的」として捉えれば、モチベーションの源泉になりますし、「夢=目的」を叶えることは幸福感に繋がります。

 

 幸せの定義は人それぞれでしょうが、それでも誰しも幸せな生活を送りたいものです。

 その理想に近づくために人は生きていると言っても決して過言ではないと考えます。

 夢はそのための源泉なのです。

 

 ところで、「夢=目的」を叶えようとする時、もっとも大きな壁となって立ち塞がるのは誰でもない自分自身となります。

 「夢は叶わない」、「自分では駄目だ」、「夢を見るだけ無駄」…そんなネガティブな諦めの意識を作り出し、自身の足を引っ張ってしまうのです。

 

 自分の「夢=目的」をなぜ自分自身で潰してしまうのか。

 それには本人の性格や性質が大きく影響していることが要因です。

 

 性格や性質とは後天的なものであり、決して生まれついてのものではありません。

 自身を取り巻く周囲の環境からの影響がとても大きなものなのです。

 後の性格や性質を形成する成長期に、私たちは親をはじめ周囲の人間から多くの情報を受け取ります。

 

 情報を受け取る中で発生していまうのが、いわゆる「刷り込み」というものです。

 人の成長期、特に未成年の頃はまだ親による保護期間であり、取り巻く社会は家庭や学校などを中心とした狭い世界で生活していきます。実はその中で受け取ってしまった情報が後の自身の行動に大きな影響を与えているのです。

 生活のすべてを保護者に依存せざるを得ない状況で、そこで受け取る膨大な情報の正否を判断することは不可能に近いことです。

 この「刷り込み」は人の今後に非常に大きな影響を与えます。

 

 ネガティブな思考の親に育てられると、その影響を受けやすくなり、親だけでなく本人もネガティブな思考に陥りやすい性格となる可能性が高いのです。

 

 さらに社会に出ると、自分を取り巻く環境はさらに広がます。

 特に情報伝達のツールが格段に進歩した現代では、これまでにない膨大な量の情報に晒されます。

 

 残念なことにそこで受け取る情報がすべてポジティブなものばかりではありません。

 「もう子供じゃないんだから…」、「現実を見た方がいい…」。

 世の中には「夢を見ること」は幼さにつながるかのように語る人間が多数います。

 

 勿論、彼らとて、最初からネガティブだったわけではありません。

 その本気度は別にして、中には「夢=目的」を追った方もいることでしょう。

 しかし、自身に刷り込まれたネガティブな思考の影響で諦めてしまった。

 「夢=目的」を達成することは自分には無理と、自分だけ思っていてくれれば良いのですが、なぜかここで「夢=目的」を達成しようとしている方に伝達してくるのです。

 

 まったくもって、大きなお世話なのですが、人は心のどこかに常に不安を抱いています。

 ネガティブな意見に流されやすいのも、心の中にある不安が要因です。

 

 ここで一歩前に出れるか否かで、「夢=目的」が近づくか、遠のくのかの大きな分かれ目となります。

 成功者と呼ばれる人間たちはこの周囲からの「刷り込み」の影響を排除できたか、もしくは影響そのものを受けなかったのです。

 

 これまで当たり前としてきた刷り込みされた影響をすべて排除することは個人だけの努力では難しいことです。

 私が自身で実践してきて効果のあった方法の中で、お勧めすることをひとつ教えましょう。

 それは新しい影響に晒されることです。

 

 普段読まないジャンルの本を読む、まったく別な階層の方と交流を持つなど方法はたくさんあります。

 現在ではSNSや定額読み放題の電子書籍などを利用することで、これまで以上に新しい世界を知る機会は増えています。

 そこで今の自分より、少し上と思われる階層の世界を知って欲しいのです。

 

 自分とは異なる環境下の人々がそのように考え、実践していくのかを学ぶことは、これまで自分の中に刷り込まれ、当たり前としてきた常識の壁を突き崩すきっかけになる筈です。

 

 難しいことではありません。

 難しくしているのは貴方自身の中にある他者から「刷り込み」された「思い」です。

 まずは一歩だけ前に出てみましょう。