本長かった…これにて今年の課題図書12冊レビュー

完走やで!ほな、行きますよーウインク

 

 

<高学年の部>
『ぼくは うそをついた』

はい、これが「いつかの約束〜」とネタかぶりしてる
もう一冊
です。「戦争の記憶から夏場に幼児

退行するおばあちゃんとの出会い」とあらすじまで、

まるかぶり。
まぁ、方向性は若干違うんですけどね。


こちらは、高学年向けということもあり思春期真っ最中
の少年と少女の物語。そこに「街で話題のちょいヤバな
言動も伴う徘徊老人」
という地味にキッツいネタが
かぶさってきます。しかも、その名物婆さんが主人公の
少年の憧れの少女の祖母。若干ヤングケアラー要素や
ジェンダーに囚われてる少女とか、ちょいちょいスルー
するには重いネタが出てきます。

 

 

しかし、ヒロインの祖母の過去を追うことで、その奇行
の原因も見えてくる。普段は心優しいおばあちゃんが
何故、おかしくなったのか。遠い夏の日に負った心の
傷を抱える👵に、少年と少女は優しい嘘をつくーと
最終的にいい話には着地するんで、安心して読めますw


ただ、ご覧の通りに結構色々な要素が盛り込まれてる
ので二時間ぐらい読了にはかかるかも。
更に何度か
読み返す事にはなると思われます。
物語としては課題図書の中でもトップクラスに面白い
のですが…フックになる部分も多いので、何処に的を
絞って感想文を書くかがポイントになる本ですね。

 


『ドアのむこうの国へのパスポート』

 

浅葱的には、今年の物語系で一番面白かった!爆  笑
ただ…これも結構トリッキーな本なので好き嫌いは
別れそうです。内容も若干難解なんで三時間は欲しい。


日本でいう特別支援学校的な学校での物語…なんです
かねキョロキョロ。この時点で、だいぶ人は選ぶかもしれない。
浅葱は支援学級のある小学校も担当してたんで、この
空気感は大変わかり易かったです。でも、感想文を書く
のは、通常級の児童でしょうから…イメージはし難い
かもしれない。だからこそ、読む意義はあるのですがね。

 

 

個性的な子供達が集うクラスに馴染めずにいる主人公の
少年は、授業で著名な児童文学作家に手紙を書きます。
すると、彼女宅から招待されたのでクラスメイトの
女の子と一緒に訪問した彼女の家には、謎の🚪があった。
この児童文学作家の女史が、実にええ人なんですよ。
人付き合いが苦手な子供達に、担任教師を通じて
行きたい国へのヴィザを作らせる。


とても柔らかなSFやと思いました。
でも、魔法も妖精も出てこない。
私達の日常を、ちょっとワクワクさせる。
その点では、彼女は『魔女』だったのかもしれない。

 

 

『図書館がくれた宝物』

 

『要約するとイギリス版火垂るの墓です。
しかも、ハッピーエンドの。そこは安心して読める。
せやけどな…そこまでは、結構な胸糞悪い展開が続くん
ですよ。全体として半分以上。
なので、そこは凄く読者を選ぶ本やなと思った。
何というか…爽快感に乏しく、ヘイトを溜め込む系。

 

 

物語は戦時中のロンドン。
たった一人の身寄りだったおばあちゃんを亡くした三兄妹が
田舎へ疎開することになりました。
何分、札束はあるんですよ。おばあちゃんが資産家だったんで。
でも、この子達を引き取る親類も居なく、下手に
金があるもんだから、里親選びも難航する。


イギリスとはいえ、田舎は何処も閉鎖的で登場人物も
結構なゲス野郎揃い。それも、次から次へと更にゲスが
出てくる。そんな三兄妹の唯一の救いは疎開先の図書館
だったーどうよ。既にお腹いっぱいやろネガティブ

 

 

図書館が物語の鍵だけあって、色んな名作児童文学が
作中に登場します。なので読書好きな子向けかと。
胸くそパートの辺りは、とにかく読むのがキツい。
図書館と出会ってからはサクサク読めるんですけどね。
なので…3時間から半日ぐらいかかると思われます。

 


『海よ光れ! 3・11被災者を励ました

学校新聞』

 

いよいよ課題図書マラソンもラスト1冊!
頑張ったで、自分!おねがい
これまたシンプルにええ話。
変化球揃いの高学年向けで、一番直球で分かり易い。
情報量も結構多いんで3時間ぐらいで読了出来ますかね。


書名通りに、東日本大震災ものです。
とは言え、トラウマになりそうな身内の死とかは無し。
被災者しか知らない避難所のリアルが描かれてます。
こういう人間臭いとこは、テレビも扱ってくれませんしね。


「学校新聞コンクール」ってのがあるらしいんですよ。
色んな新聞社が主催しているんで、作中ではどれを
受賞したのかはわかんないんですけど。で、かつて
それを受賞した子供達が東日本大震災で被災したのが
物語のはじまり。通い慣れた🏫に、街の人と共に
過ごす日々が描かれています。

 

 

他人と暮らさなければいけない違和感と、閉塞感。
電気もガスも水道も停まってしまい、近隣の住民が
持ち寄ったわずかな食材で生き延びる日々。
嫌なことも、楽しいこともたくさんあって、地元の
大人に見守られて成長していく子供達は、『今の
自分達』を学校新聞にしようと立ち上がります。


この本を読む子供達は、大半がその苦境を知らない
幸せな子供やと思うんですよ。恥ずかしながら浅葱も
そうでした。幸運にも、被災した事は無いので。
想像するしかない。
これが、感想文を書くには最大のポイントになるんじゃ
ないですかね。理解は出来なくても、想像する。
今の日常が、ある日突然ー断ち切られる。
その時に、自分は何が出来るか。
読者の子供達と同年代の子供達が、体験した過酷な日常。
やらしい話、これも感想文書きやすい部類ではと思います。

 

これにて課題図書2024フルコンボだドン!爆  笑

いやー、地味に大変でした(^_^;)。今までも何冊か課題図書

は読んでたんですが、12冊完走は初めてだったんで。

それでも、今アップしたのはですね。

今なら、まだ図書館で借りられるからです。

課題図書は、読書が苦手な子の駆け込み寺みたいなもの

なんで、これからどんどん予約が殺到して待たされます。

下手したら夏休み明けに借りられる事にもなるんで、

読書苦手キッズの親御さんは、是非今から動いてください。

 

そんで、親御さんも読んで欲しい。

浅葱も今回痛感したんですけどね。

「読んでる」と「読んでない」では説得力が段違いに

なるんで。何より、ご自分が実践していない事を子供に

強要してほしくないんですよ。公共図書館で働いてる頃

散々親御さんから相談受けましたからね。

お母さん「うちの子が本を読まなくて…ショボーン」って。

先ず隗より始めよと言うじゃないですか。

是非とも、お手本として先に読んでください。

そんで、お子さんに「強要」するのではなく「共用」して

くださいよ。本を読む楽しさをウインク

 

さて、これから低・中学年のも色々リンクつないどき

ますね。皆様も読書感想文という「仕事」でなく、

読書を楽しんでおくれやすやで☆(ゝω・)vキャピ