大正琴の音域と大きさの比較
(上から、ナルダン エレキ大正琴26ボタン、
星明楽器 ピーコック・ハープ 大型大正琴29ボタン、
鈴木楽器 平成34 特大型大正琴34ボタン、
一番下は大きさ比較の参考として、全音バス大正琴)
大正琴(ソプラノ)の音域は、一番低い音(開放弦)が「ソ」G4(第1~3弦、第4弦のみG3)から始まり、高い音「ラ」A6、「ラ#」A#6あたりまでが、一般的です。
ナルダン エレキ(エレアコ)大正琴(26ボタン・27音=1~3弦がG4~A6)全長65cm
しかし、もう少し広い音域の大正琴も、これまで何機種か製作されてきました。
「ミ」の音から始まる機種として、
星明楽器 ピーコック・ハープ(29ボタン・30音=1~3弦がE4~A6)全長83.5cm
「レ」の音から始まる機種として、
サフォー楽器 古賀トーン(31ボタン・32音=1~5?弦がD4~A6)全長88.5cm
「ド」の音から始まる機種として、
スズキ楽器 平成34 桂(34ボタン・35音=1~3弦がC4~A#6)全長96cm
低い方ではなく、高い方に音域が広い機種もありました。
低い音は通常の「ソ」ですが、高い音が「レ」まで出る機種として、
ナルダン楽器 ナルダン・ハープ(30ボタン・31音=1~3弦がG4~D7<C#7なし>)全長97cm
当然、音域が広くなると、弦長も長くなり、バス大正琴並に本体も大きくなります。
これが「電子大正琴」の場合、大きさを抑えたまま、音域を広げることができます。
さらに音色やオクターブ・スイッチにより、実際の鍵盤ボタン数よりもはるかに広い音までカバーできます。
コムニクス CK-350(35ボタン・35音=1~3弦がC4~A#6<アルト音色&転調機能使用時F#2~D#8>)全長78cm
*CK-100、CKー201、CK-275にあるバス音色が、CK-350では何故か入っていません(鍵盤がC4から始まっているため?)
鈴木楽器 野ばら(37ボタン・37音=1~2弦がC4~C7<オクターブ&移調機能使用時G2~F#8>)全長82.7cm
*大正琴の音色ではなく、エレキベース、アコースティックベース音色を使えば、さらに2オクターブ下の音が出せます。
鈴木楽器 和楽Ⅲ(37ボタン・37音=1~3弦がC4~C7<オクターブ&移調機能&バス音色使用時G0~F#8>)全長72.2cm
*バス(エレキ大正琴 蘭バスのサンプリング音)以外に、エレキベース、アコースティックベースの音色があります。
残念ながら、ここで紹介したアコースティックも電子大正琴も共に、現行販売は終わっています。
音域が広いと、演奏の幅が広がりますし、特にソリスト、ぼっちの人には、とても役立つ大正琴です。
平成34を使って、実際に演奏してみました。
①聖歌500番「みことばなる」(演奏キー=F)
・・・旋律が「ファ~レ」まで使っているので、普通の大正琴では1オクターブ分しか弾けませんが、平成34だと2オクターブに渡って弾くことができます。
②聖者の行進(演奏キー=C)
・・・旋律が「ド~ソ」までと狭い曲で、普通の大正琴では2オクターブ分のところ、平成34だと3オクターブに渡って弾くことができます。
こちらは、電子大正琴 野ばらも合わせて弾いてみました。
練習中に平成34の第1弦が切れたので、新しい弦に張り替えたのですが、長めの大正琴の弦がかろうじて使えました。
第1弦はテールピースの弦掛け~ペグ(糸巻き)の穴までの長さがもっとも短いので、大丈夫でしたが、他の第2~5弦ではもっと長い弦でないと無理です(スズキのエレキ大正琴「こはく」のアルトが、平成34と同じくらいの大きさなので、その専用弦が代用できると思います)。
ボディが大きすぎて、四隅に取り付けてあった滑り止めのゴム足が、大正琴テーブルからはみ出してしまい、演奏中滑るので、上の画像にあるように、ゴム足の位置をもっと内側に取り付け直しました(製作時からこの位置に取り付けてくれた方が、良かったのでは?と思います)。