オスカー・シュミット社のレア物オートハープ「ギタロー(Guitaro)」を入手したので、修理&カスタムしました。

古いものなので、ミュート・フェルトは劣化してボロボロに剥がれ落ちていました。

イメージ 1

ギタローには表板にサウンドホールがあるタイプもありますが、今回入手したのは、表ではなく裏板に穴があいており、その上からリゾネーター(共鳴器)をかぶせている、ちょっと変わった作り。

イメージ 2

リゾネーターの方を少し加工して、ピックアップを付けました。ツインのピエゾは裏板のサウンドホールから、表板に貼り付け。

イメージ 3

コードボタンは15種類しかありませんが、なるべく多くの曲が弾けるように厳選して、フェルトのミュート箇所変更(新しく交換)をしました。

イメージ 4
(こちらがノーマル仕様のコード)

イメージ 5
(オリジナル・カスタムしたコード)

具体的には、なくてもさほど困らない6個のセブンスコード(C7,D7,E7,G7,A7,B7)を、使用頻度の高いメジャーコード(E♭,E,A,B)とマイナーコード(F#m,,Bm)に変えました。
この配列は、C,D,F,Gの4つのキーで、ディミニッシュを除く6つのダイアトニック・コードをひと組にし、押さえやすくしたものです。

イメージ 6(*交換途中)

画像でお分かりの通り、ギタローはミュート・バーが金属プレート木片に分かれています。そして木片の形状が斜めにカットされています。

中古入手する際、「こんな箇所が割れて(壊れて)しまうのかな?」と不思議に思ったのですが、触ってみてその理由が分かりました。
ギタローは、左手で押さえやすいように、ボタンが外側寄りに取り付けてありますが、真っ直ぐな木片だと、負荷が外側寄りに掛かってしまうため、均等にミュートできません。
それで、ミュートバーの中央に力が加わるように、きちんと工夫してあるのでした。( ‘-^ )-☆

イメージ 7

完成したところを、スタンダードなオートハープと並べてみましたよ。

イメージ 8

ギタローは弦が24本で、標準オートハープ(36弦)から、ちょうど高音部1オクターブ分なくした形です。
その代わり、弦長が最低音のFでは10cmほど長くなっています。
これで、サウンドもハープからギター寄りになるわけですね。(^-^)

では、試奏動画をご覧下さい。


マニアックな曲を選んでしまいました(*大正琴とオートハープは奏法が似ています)。(#^.^#)