大正琴は基本、メロディーしか弾けません。弦が複数本張ってあっても、すべて同じ音に調律している、実質1弦(単音)楽器だからです。

音は豊かなので、そのままでも楽しめなくはないですが、より楽しむためには「みんなで合奏/誰かに伴奏」してもらうか「カラオケに合わせて演奏」するのが一般的です。
しかしそのためには、いっしょに演奏する仲間、パート分けなどのアレンジ、カラオケの用意(ない曲であれば自作)等が必要となってきます。

そこで、「一人でも」尚且つ「かんたんに」演奏できる独奏用の大正琴を開発しました。名づけて「琴(こと)シタール」!・・・ドローン(固定持続音)を伴奏に使う大正琴です。

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シタールと付けていますが、発想はマウンテン・ダルシマーに鍵盤を取り付けたものです(シタールとマウンテン・ダルシマーは演奏法に関連性があります。語呂の良さとサウンドから「シタール」の方を名称に用いました)。

琴シタールでは、鍵盤をつけている故に、マウンテン・ダルシマーのような(指で押さえる)様々なコードは使えません。メロディーだけが動き、伴奏は完全にドローン弦のみに任せるというシンプルなスタイルの演奏になります。
(伴奏弦を増やせば、コードの数は増やせますが、演奏そのものが難しくなってしまいます。伴奏弦を何本か増やしたところで、どんな曲でも弾けるほどの色々なコード演奏は無理ですから、その辺は割り切りました。)

また、演奏できるキーはC(ハ長調)Am(イ短調)です。琴シタールの鍵盤ボタンを見ていただければ分かりますが、黒鍵はF#音しか付いていません。
これはドローン弦と不協和音になってしまう音程を取り除いているからです(つまり、取り付けてある鍵盤ボタンであれば、どれを弾いてもドローンときれいに混ざるということ)。

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全部で8本弦ですが、チューニングはC調の場合、手前から、メロディーを担当する細線4本がG、ドローンを担当する太巻線がC、細巻線がC、細線2本がGになります。

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とりあえず、2曲動画UPしました。一曲目は比較的シンプルに演奏しました。


次の曲は、開放弦とトリルを使ってもう少し派手な演奏をしています。


楽器としては、もう少し改良したい点がありますが、ほぼ完成の試作品といったところです。
ドローンによる伴奏は、メロディー以外同じ音を鳴らし続けるのですから、悪く言えば、何の曲を弾いても同じように聴こえます。
しかし、何とも言えずクセになるような、独特の心地良さがあります。(~*'▽'*)~