はい、絶賛小説放置中のあさつきです。


そうそう、名前変えました。

「朝月夜」あさづくよって読むんですが、正直みなさん読めないよね。

で、これだとなんかネームっぽくない。とゆうか名詞なので、

いっそのこと「朝月」だけ取って「あさつき」にしてしまおうと考えたわけです。

と言う事で、これからは「あさつき」としてがんばって行きます、はい。


さぁて、ブログを書きます。


私電車通学なんですね。

そこで、まぁ電車の中で起きている細々な愚痴をぺっちゃくろうと考えたわけです。


いつものように駅から電車に乗る、丁度小さな椅子が空いていたので座ります。

見回すと眼鏡を掛けた会社員が隣の小さな椅子に座ってました。

で、その時何かを見てイキナリすごい驚きと喜びに溢れた顔をしたんですね。

何事かと視線の先を見る・・・


女の人が足元のバックあさって屈んでる・・・。


・・・ああ。


私は急いで視線を逸らしましたが、その後ため息を付いて脳内メモ帳に愚痴をさらさらと書き上げる。


「いや、同じ男としてさ、そのハッピーは分かるよ、うん。だがな。さすがにOpen過ぎるだろ。今の俺じゃなくて女性が見ちゃったら軽く、いや、めちゃめちゃ嫌な顔されたぞこれ。てゆうか女性のほうも女性の方で無防備すぎるだろ、胸元くらいしっかり確認しろよ」


うん、書いた書いた。


さて、次。


ホームは屋根つきの小さなやぐらみたいになっているところで、ちょうど小学生の通学路が見えます。

ある日、二人の一年生くらいの女の子が仲良さげに並んで喋ってました。


「ねぇねぇ、この歌しってる?」


・・・おーおー、プ○キュア見たいなアニメの主題歌でも歌いだすのだろうか


「風の中のすーばるー」


・・・・・・・・・はい?


え、ちょっとまて。今何か俺の頭の中で理想とか可愛さとかそういった物が割れる音がしたぞ。

いや、どこで覚えたそれ。むしろ何故このタイミングでその不可思議なチョイスを繰り出した。

ビックリして携帯ぶん投げる所だったぞ。

もう一人の女の子はえー、しらないと言いながらその話を軽く流してました。それもどうかとおもった。


地上の星私に衝突。

今日あった「いいこと」 ブログネタ:今日あった「いいこと」 参加中
本文はここから



正直悪い事のほうがが大量生産台風1号雨嵐(殴

さて、いい事といえば。


「不良っぽい兄ちゃんが駅の駅員さんに敬語を使っていた。」

なんか、感動した。
で、これっていい事なの?w

……中には誰もいなかった。声ももう聞こえない。
 寂しいような、残念なような不思議な感覚は、私を取り巻いて、段々と暗闇を作っていく。その暗闇は更に大きくなってゆき、ついには馬車全体を包んで行く。最後には、馬車も、兵士も景色も無くなり、大きな黒い空間の中に私だけが取り残された。

 次に感じたのが、痛み。じわじわと、体を焼くような痛み。この痛みの向こう、そうしてから、その暗闇の先に光が差し込んだ。光は段々と拡散し、大きくなってゆき、周りの闇を取り除いていった。そうして、全体が光に包まれたと思うと、私は目を開けた。
 視線の先には、見たことのない天井がある。肌には締め付けるような感触、包帯だ。あの金色の田、風景も其処には無い。どうやら、夢を見ていたようだ。だが、夢にしてはとても懐かしい景色などが出てきた気がする「夢」とゆうより、「記憶」といったほうがしっくり来るだろう。
しばらくそのことを考えてると、急いで階段を駆け上るような足音が聞こえてくる。その足音は扉の前でピタっと止まると、カチャッというノブが開く音と共に私がいる部屋へと入ってきた。痛む体を無理やり横に向け、そして見た先にいたのはリンだった。


 「あ、起きたんだ! ……よかったぁ」
 「え?」


 私は小さく間の抜けた声を発すると、リンのほうを丸い目で見つめた。それを気にせずに、リンは私のいるほうへと寄ってきて、傍にあった椅子に腰掛けると、私のほうを向きかえる。


 「……で、ここは?」


 最初に話を割り出したのは、珍しく私のほうからだった。それもそのはず。目が覚めると自分が知らないところに来ている、というのはそれなりに恐怖を感じる事だ。危機管理上、身の回りで起きたことは把握していなければいけないことだと判断したからだ。


 「ここは私の家だよ」


 ここはリンの家らしい。話に聞くと病院と思ったが、狐、しかも妖怪の狐を連れて行くわけにもいかず、私の母に連絡を取って、しばらく滞在という形にしたらしい。よく見ると壁にかかっているカレンダーは5月に変わっており、私は何日か寝てしまっていたようだ。そのあとのしばらくの沈黙の後に、私はまた言葉を発した。


 「その、ありがとう……ございます」

 「ううん、お礼を言うのは私のほう、あの時と、この前も守ってくれたんだよね?」
 「……」
 「……ありがとう」


 その言葉は、初めて私に向けられた感謝の言葉。普段何もせず、何にも関せずの私には、小恥ずかしく、慣れることが出来ない言葉。しかし、悪い気はせず、心が温まるような、そんな優しい響きの言葉だ。
 私はリンからふいと目を逸らして、何も無い壁のほうを見つめる。そんな私を見て、リンはにっこり笑うと、また話を切り出した。

現在ワタクシ高校生 原付取るため猛勉強


だるい気持ちを必死に抑え 行った講習頭痛で苦しみ


帰ると家族が集団リンチ


勉強し、予定を決めろと言の葉爆弾


いっそブログにぶっちゃけようと


開くとエラーでパーになり


薬を飲んで寝たならば


空腹すぎて腹がなり 隣の部屋から笑い声


起きてゲームを開いたならば


強制終了オワタコレ


ボス戦行こうとPT誘うが 一人も来ないで時が過ぎ


結局何もやらずじまい


最後にブログを書いたわけだが


災難だったと涙がほろり

5話     過去の夢、誤解と和解


 山は赤や黄色に彩られ、田は金色の稲穂が揺れている。気がつくと私はそこにいた。どこか懐かしいその光景は、周りの静けさと共に私をただ沈黙へ誘う。私は動かずにただそのままこの綺麗な景色を見渡してみて、察した。私はかつてこの景色を見たことがある。


 ぽかんとして立ち止まっていると、後ろから小さな女の子が私のほうへ駆けて来るのが見える。その子は、私にぶつかるかと思ったら、私をすり抜けてそのまま反対の方向へ走っていった。すり抜け……ああ、私は死んだのか。と、嫌な感じの悪寒がする。あのすり抜けて走っていった女の子を追おうかとも考えたが、その行動が答えになるかも分からないまた、立ち止まると金色に染まった水田を眺めた。やはり、私は知っている。この風景、この感じ、この色、そしてこの場所。とても大切な場所な気がしてならない。


 暫くそれを見つめていると、今度は大きな馬車が通るのが見えた。その馬車は後ろに沢山の兵士を従えて、道をゆっくりと進んでくる。兵士の格好は、布に鉄を縫い合わせた単調な作りで、それもまた知っている服。馬車は漆などで黒く塗られ、所々が金色に縁取りされている。これも、どこかで見たような。それを見て、また私をすり抜けて、そのまま通り過ぎていくのかと、道を小さく開けたとき。


 「おいで」


と、馬車の中から声が聞こえてきた。その声は、美しい声で、どこか私の心を揺さぶる。嬉しいような、愛しいような感覚。ちょうど、こんな感じをどこかで感じたような……。私は、思い出せずにおもむろにその馬車を見つめた。
それに、その声はもしかしたら私じゃない誰かに向けられている物だと思いそのまま馬車に近付くのを躊躇させる。


 「怖いの?大丈夫よ。さぁ、おいで」


 躊躇しているとまた言葉が返ってきた。見渡しても、私以外の人物は見当たらない。見当たるとしたら兵士くらいだが、兵士は微動だにしない。この声は、私に向けられているものなのだろう。しかし、例え心を高揚させる声だとしてもやはり得体の知れない声。それに、襲ってきた怪物たちの件もあってどうしても、警戒せずにはいられなかった。だが、気がつくと私はそのまま馬車の足枷に足をかけていた。私の意志じゃない。なぜかそう体が動いていたのだ。そうして私は馬車に乗り込んだ。


 「……あぶない!!」


 私は痛みを堪え、リンのほうへと駆けて行く。リンはそれに気がつくと、後ろを振り向く。
影は大きくなっていき、ついには実体を作り出した。影から現れたのは、悪魔のような姿でボロ布を纏った男だった。男は実体を現すなり、いきなりリンのほうへと向かっていく。間一髪に、私はリンを突き飛ばす。男の爪は私の右肩に当たった。タクトはそれに驚いて、加勢しにこちらへ近付いてきた。
私の右足、右肩。其処から血が流れている。だが、そんな事は気にしない。私は上空に立つ悪魔男を睨みつけた。すると、また体は変化していき、白い狐が私のいた場所に立っている。また狐の姿になることが出来たのだ。


 「ヨウカイノウラギリモノトハオマエノコトカァ!!!!」


 男は声なのかも分からないような奇妙な声で私を怒鳴った。妖怪の口から出た裏切り者という言葉。
そこでまたぼんやりと浮かぶ記憶が一つあった。昔、私はこのように誰かを守っていた気がする。
遠い、遠い昔。その誰かを、泣かせない為に。そして、殺させないために。裏切る前に仲間だった覚えも無い。どちらかといえば敵対していた気がする。


 『裏切った覚えなんてない。元々あなた達は敵。この子を泣かせる、敵。』


 私はなんの迷いもなく男に言い放った。タクトはそれを聞いて、少々戸惑って、私のほうを見ている。自分が赤く染めてしまった白い毛。そして、リンを庇う為に付けた赤いしみ。私の血は、狐になっても止まることはなく、その場に滴り落ちて、小さな水溜りを作っている。その光景を、ただ黙って見ていた。


 「ヌカセ! ヌシハワレガ消ス! ソレカラ、ユックリト其処ノ者ヲ食ウダケダ!」
 『…させない、この子を傷つける事だけは……させない!』


 男と私は同時に妖力を溜め、男は黒いエネルギーの弾。私は炎の塊を作り出した。それを相手に目掛け、同時に放つ。

 ゴゥ!!!という風をかき回す音がして、二つのエネルギーが衝突する。どうみても、私の放つ炎のほうがひとまわりもふたまわりも大きかった。その炎は男の弾を消すとさらに男へ向かっていく。
しかし、それを男は間一髪で避けると、私の方へと一直線に向かってきた。
私も避けようと、その場から飛んで離れようとした。だが、右手足が思うように動かない。さっきのダメージの所為だろう。


「所詮ハタダノ雌狐。手負ナド、ワレノ敵デハナイワ!!」
 『……くっ』


             ズシャ!!!


 男はそのまま小さくジャンプして避けようとした私の左足を攻撃した。何かが引き裂かれる音と共に、左足からも赤い血が飛び散る。右前足。両後ろ足を攻撃され、私はもう身動きは取れなかった。


 『う……』


 強烈な痛さに私はその場に倒れこむ。痛みに負ける体を必死に奮い立たせるが、動くどころか、痛みが増して動かない。男は空中から黙って私を見下ろしてから、羽を小さく羽ばたかせ地面に着地する。


 「狐、ニンゲンヲ庇ッタコトヲ後悔スルンダナ」


 そう言うと、男は爪を尖らせて、こちらに歩み寄ってきた。私は歯を噛み締めて、男のほうを睨む。しかし、男はそれを気にせずに、私のほうへと向かってくる。そして、私の目の前に立つと、手を振り上げた。


 「コレデ、オワリダ」


 そうして、私に爪を振り下ろそうとした時だ。男の後ろから、大きな光の刃が飛んでくるのが見える。男はそれに気がつかず、その刃は男の背中に直撃した。


 「グアアァァァァアア!?」
 「俺が居る事、わすれんじゃねぇよ」


 男が大きな悲鳴を上げた。そして、それに被さる様な少年の声。後ろには、タクトが前に手を伸ばして立っていた。そう、その刃はまさしくタクトが飛ばしたものだ。男は直にその刃の光を強くあてられ、背中からは煙がたっている。


 「クソ…封妖師……」
 「ちっ、動けるか!」
 「ヨクモ……ヨクモヨクモヨクモヤッテクレタナァ!!!!!!」


 男は激怒し、タクトのほうへと一直線に向かっていった。背中はだんだんと溶けてなくなっているにも関わらず、最後の力でタクトを殺さんとして。それを見た私はとっさにその男に、力を振り絞って妖炎を放った。紫色の炎は男を追跡し、段々と距離を縮めていく。


ゴオオオォ!!!!!


 「グヲオオオオオオ!!!」


 また背中に大きな炎を浴び、男は大きな断末魔を上げると、その場に倒れ、炎と共に炭となり消えていった。
それを確認してから、タクトが私のほうへと近付いてきた。なんとか逃げようとしたが、やはり体中の傷がその動きを止めていた。そして、タクトが私を見下ろす位置に立った。そいつと私の間にしばらく静かな沈黙が続く。


 「待って!!!」


 夕日が沈む中、沈黙を裂く一人の少女の声が屋上にこだました。声の主、それはリンだった。
タクトと私は、リンのほうへ向きかえる。リンの顔はちょっと歪んでいて、怯えからか、頬から一筋の線が光っている。


 「その狐……尾尊さんを殺さないで!」
 『……。』


 震える口から出た言葉は私を殺すなという言葉。私もそれに驚いて、黙ってリンのほうを向いていた。それからしばらくすると、タクトがため息をついた。


 「別に殺さねぇよ……ったく。俺が悪人みたいじゃねぇか」


呆れた様にタクトがそう言うと、いきなり私の体を持ち上げた。これにはビックリして私は手から逃れようともがいた。普通に生活してたらいきなり男子に抱っこ紛いの事などされるはずもないだろう。頭に血が上り、恥ずかしさで湯気が立ちそうだった。


 『わわ! は、はなせ! 変態! はなせってば!』
 「ちょ! おい暴れんな! ただ運ぶだけだっつーの!」
 『うっさい!! さっさとはなしな…さ…。』


 その大声がいけなかったのだろう。体は少々寒く、重くなっていた。段々と意識が遠のく。そして、最後に見えたのが暗闇。私を呼ぶ声は、残響として耳の中にこだましてからすぐに消えて行った。

4話     封妖の力


放課後。私は職員室へ来ていた。長ったらしい説教を受け、今が丁度その終わりだった。
ちらっと見えた窓の外は夕日で赤く染まっていて、段々と紫色、夜に変わってくる頃だろう。
嫌々に失礼しましたと一礼すると、戸を空けて外に出る。
すると、そこには待ち構えていた様に、タクトが腕組みをして立っていた。


 「……今度はなんですか?」


私はそう答える。するとそいつは、今度は無言で私の腕を強く掴むと、そのまま上の階へと走り出した。
腕をひかれて着いたのは屋上。説教のせいでもう学校には生徒の気配も殆ど無く二人きりになったりするには丁度いい場所と言える。


 「最後の日が説教ですまなかったな」


いきなりタクトがそう言うと、またこちらを睨んだ。どうも、その言い方は尋常ではない。
まるで私が今日死ぬみたいだ。


 「お前、妖怪だろ。俺は化け物を処分しないといけないんでな、悪く思うなよ」
 「……!」


そう、彼は私は妖怪だということを見抜いていたのだ。すると、ポケットから符をいくらか取り出すと、それを私のほうへと放つ。符はいきなり光の刃のようになり、こちらへと一直線に飛んできた。
私は横へ飛んで間一髪それをよけると、向こうを見つめなおす。今度は符を持ったままタクトは私のほうへと走ってきた。どうやら本気で私を殺したいらしい。


 「いきなりなにするの!」
 「妖怪と話す暇なんて無い!」


問いに答えずに、タクトはそのまま私のほうへ走ってきた。こうなってしまったら逃げることも出来ないだろう。
私はどうやって妖狐になり、どう反撃するか避けながら考えていた。しかし、あの時は偶然なれただけで、今どうやってなるかはまったく分からない。そう考えている内にタクトが符を持ったまま私目掛けて振り下ろした。
その符が私の右足に当たり、バチン!という音がしてから、激痛と共に血が流れ出した。


 「い……!」
 「やっぱり妖怪だったんだな。この符は妖怪以外には何の力もない」


足を攻撃され、私は身動きが取れなくなった。
タクトはじりじりとこちらへ近付いてきている。
逃げようと必死だが、狐になるどころか足が痺れて動かない。
絶望的な状況に(ああ、ここで私死ぬんだ)と、少々諦めかけていた時だった。

 「あ…尾尊……さん?」
 「え?」


そこにいたのは、リンだった。既に学校を休んで今日明日の日は会えないかと思っていたのに、どういう経緯かは知らないが屋上へ着ていたのだ。タクトも驚いて、慌てて符をポケットにしまった。
この光景は、遠目の今このタイミングで、はたから見てしまえば……


タクトが私を押し倒している。


このように見えることだろう。


 「え?えぇ!?じゃ、邪魔しちゃったかな?」
 「ばっ!誤解だ誤解!俺はこいつを!」


口元を塞ぎ、顔を赤らめてリンがそういうと、慌ててタクトが誤解だということを伝える。ここで私が嘘でもいいから泣きでもすれば……。なんて思ったが、そう思っている時間も無いようだ。
なぜならリンの後ろに、黒い影が見えたからだ。

朝のホームルームの時間になった。リンは教室に来ていなかった。
それは当然とも言える行動であるといえる。
(私に会いたくない)や(放心状態、怯えている状態で来れない)など
学校に行けない理由がいくつも存在するからだ。
だが、それとは別に新たな変動が私の身の回りで今起きた。
担任が、ホームルームを始める為教室に少年を連れて入ってきた。そう、例の朝の少年だ。


 「えー、皆に転校生を紹介する。京都からこの学校に転校してきた(月島 タクト)君だ」
 「……よろしく」


その少年、タクトは暫く教室を見渡すと、私を見つけ、またこちらを睨みつけてきた。クラスの何人かはそれに気が付いたらしく私のほうをちらっと見たり振り向いたりしている。が、もちろん私はなにもやっていない。
そんな事に興味は無いし、関わるのも正直御免である。なので、睨まれている事に気が付いても無視を貫き通していた。


 「じゃあ自己紹介をしてくれるかい?」


担任がそうタクトに話しかけた時だ。
向こうが来ないならこちらから行くまでだと言わんばかりに、堂々と机の間、クラス全体の視線を横切って私の机の目の前まで来ると、両手で強く机を叩いた。


 「……なんですか?」


私はまた心にも無い言葉で返す。担任や生徒はまだぽかんとこちらを見ている。


 「てめえ……」


すると、怒ったようにタクトが私の服の襟元を掴んだ。少々突然のことで私は息が詰まり、「うっ」という濁った声を発する。それを見た担任は慌てて私からタクトを引き離した。


 「尾尊! お前なにかやったのか!?」


そう、勿論担任の矛先は私のほうへと向けられた。まぁ、いきなり転校生が見ず知らずの転校先の学校の学生へ喧嘩を売るなんて事は滅多にあることではない。それに対象が私であるから頷けるような事だ。
私は彼らからは問題児と、そう見られているに他ならないからである。だからと言って、証拠もなしにいきなり私を怒鳴りつけるのもどうかと私はため息を付く。それを見た担任は更にどうなんだと怒号を飛ばし、私を睨みつけた。少々間を空けて私は口を動かす。


 「別に、朝の時間に廊下で少し会っただけです」
 「それだけで襟を掴まれる様な事になるわけがないだろう! 本当の事を言え!」


まったく、あきれた教師である。まぁ、彼が信じないのも無理は無いし、彼の言っていることは普通に正しい。
しかし、筋と根拠は無い。タクトに確認も取らず私を怒鳴りつけているし、本当か嘘かも聞かずに嘘だと決め付けている。だが、これは紛れも無い事実であるし、他に言いようが無い。どうにも担任の行動は日頃の私への復讐も兼ねている様に見えて仕方が無い。面倒なことになったなと暫く担任をつまらない目で見つめていたが、


 「……もういい! 尾尊、お前は後で職員室に来い!」


そう怒鳴りつけて、また前の教壇へと戻っていった。クラスの連中は私のことを笑ったり、何事かと見つめていたりしたが。そんな事を気に留めている事などなく、ただ窓の外を見つめた。
タクトはやらかしてしまったかというような微妙な顔を浮かべているようだが、まだ私の方に時々殺気にも近い物を出しているように思える。

時計を見ると、既にホームルーム終わりの時刻を刺していて、これから憂鬱な授業が始まろうとしていた。

3話     転校生


驚いたのは、家の前まで着いた時に、人間の姿に戻らないかと思ったらすぐに戻ったことだ。
あの場にリンを一人置いてきてしまったことを今更後悔しながら、私は家の扉を開ける。中は電気が消えており、誰もいない様子だった。それに構うことなく、戸に鍵を掛けると、私は階段を上って自分の部屋へと行く。
部屋へ着くと、服も脱がずにベットに飛び込むように倒れると、そのまま目を閉じる。
そして、今日起こったことを頭の中で整理する。あの懐かしい感じ、大きな怪物。そして私。
なぜリンから襲ったのか、なぜ私はリンの声に反応したのか。
……わからない。わかるのは、狐の姿になっても特に戸惑うことも無かったことだ。
理由は、その姿になれる事をうっすらと知っていたという事。
戦い方も、力の使い方も体が自然に覚えていた。
普段の生活に埋もれて、ほとんど……いや、ほぼ完全に忘れていた記憶。
思い出させたのは、紛れもなくその場にいた(リン)という人物。
それだけだった。


━━━━━━━━━━━……。


目を開けると、朝になっていた。昨日色々考えているうちに夜が明けてしまったようだ。
私は小さく背伸びをすると、階段を降りていく。家の中にはまだ誰もいない。両親共に出張なのだろう。
だが、今の私にとっては好都合。朝食など食べたくなかったからだ。私は服を洗面所に脱ぎ捨てると、シャワーを浴び、また服に着替える。時計を見ると、まだ学校へ行くにはすこし早い時間。
しかし、特にやることも無い私は、いつもより早く家を出ることにした。

丁度あの小道に差し掛かる。あの怪物を燃やしたにも関わらず、辺りに焼け跡は見つからない。
道の中央辺りに大きな凹みが出来ているだけだ。あとは木々の葉の間から朝日が差し込むだけで、
いつもとなんら代わりの無い小道だ。私はしばらく辺りを見渡した後、また学校のほうへと進みだした。


学校につくと、いつもの日常風景が広がる。
私は校門を抜けると、下駄箱に靴を放り込み、教室へと向かった。その途中……
職員室の前を通るのだが、そこに学校の制服ではない服を着た少年が、
仏頂面をして立っていた。私は特に気にする事もなく、その場を通り過ぎようとする。


 「待て」


すると、少年がこちらを見て私を呼びとめた。振り返ると、少年は私のほうを見つめている。
いや、睨みつけているが正しいだろうか。


 「お前……ちょっとこっちに来い」
 「え? ……あの…?」
 「いいから来い!」


躊躇した私を、少年はさらに怖い顔で睨み返してくる。ここは逆らわないのが無難かと、私はその少年の後を追おうとした。しかし…


 「月島くん! 何処へ行くんだ? いいから戻りなさい!」


それを更に一人の教員が呼び止めた。少年は私のほうを見て舌打ちすると、そのまま職員室のほうへと入っていった。私はぽかんとした後、一体なんだったのだろうかとすこし疑問に思いながら
また教室のほうへと歩きだした。

意識はしだいに薄れ、視界がよく見えなくなっているとき、
昔、なにかの形で封じられ、今までも心の底に沈んでいた私の中の力が動いたのは……。その力は体中を廻り、さらに力を増していく。体中に強い痛みを浴びた後、私の体は変化していた。


 『コウゥゥゥゥーーーーーン』


その甲高い声はまさしく私のものだ。
そして私はもう一度怪物の目の前に立ちはだかる。
……白き妖狐となって。


「! 小娘、キサマ、妖怪だったか……」
 『この子を…傷つけさせはしない……』
 「フン、オモシロイ。ならば白狐の力を見せてもらおうか?」


そう言うと、怪物は私めがけて拳を振り下ろす。それを小さくジャンプしてかわすと、地面にめり込んでいる拳に飛び乗り、怪物の腕の上を走り出した。丁度肩まで到達した所で、私は大きくジャンプして、怪物の真上に飛ぶ。
一回転した後、目の前に大きな妖炎を形成すると、それをそのまま相手に放った。


  ゴオオオオオォォォ!!!


 「クッ、グワァァァァァ!!?」


地面に着地をする頃には、怪物は紫色をした炎に焼かれてもがいていた。
大きく炎上する怪物を尻目に、私はリンへと歩み寄る。


 「よ……よう……かい?」
 『……あ』


その時に、ようやく気が付いた。(ああ、私は妖怪だったんだな)と。なぜ自分が妖怪なのか、どうして妖怪になったのか、それは全然分からないが……過去に、果てしないくらい遠い過去に、何かがあったような、ぼんやりとそんな気がするのだけが分かる。一方目の前のリンは、怯えた様子で私を見ていた。
それも無理はない。いきなりクラスメートが白い狐になってしまい、大きな怪物を倒してしまったのだから。
私だってそんな事があれば、怯えてしまうだろう。守ってもらったのに怖がっているのも、腹立たしくは思わない。


(( しかたがない ))のだ。


だが、とりあえずリンを起こそうと、傍まで行く。


 「……い、いや」

どのみち、私が歩み寄ったところでリンを起こすことなど不可能に近いこともすぐにわかった。
だけど、そんなリンの口から洩れた言葉は、拒否だった。
そう、しかたがない、しかたがないのに私はすこし悲しかった。


 『そう……怖がらせてごめんなさい』


私は小さくそう言い残すと、リンに背を向けて、自分の家の方角へと走り去っていった。
リンは、そのままそこに座り込んだまま私を見ていたのか、

背中に視線が突き刺さって、その感覚が暫く離れなかった。